持続化補助金に採択されチラシなどの販促物を作成した小売店の事例⑦

小規模事業者持続化補助金

 「貴社の強みは何ですか」と問われて、言い淀んでいるとしたら、生き残りは厳しいと言わざるを得ません。弊社では「強み」を「顧客に価値を与えることのできる差別的優位性」と定義しており、顧客が自社を利用する理由になり得ます。よってこれが不明であるということは、自社がなぜ事業を継続できているのかが不明であると言えます。

 そして、この強みがたくさんあるということは、顧客が同社を利用する理由、事業を継続できている理由がたくさんあるわけで、リスクヘッジにもなり得ますし、これを強化・活用することで事業拡大が期待できます。

 今回見ていく<経営計画>「3.自社や自社の提供する商品・サービスの強み」は、これらを認識しているか否かが問われており、公募要領「審査の観点」には「自社の製品・サービスや自社の強みも適切に把握しているか。」「経営方針・目標と今後のプランは、自社の強みを踏まえているか。」という記載もありますので、しっかりと強みを洗い出し、正確に記載する必要があるでしょう。

 今回のコラムは、前回に引き続き、婦人服メインの雑貨店が作成した持続化補助金申請用の計画書に対して、弊社がどのようなアドバイスをして採択に結び付けたのか、そのポイントを述べるシリーズの7回目になります。

 そして、今回取り上げるのは<経営計画>の中の「3.自社や自社の提供する商品・サービスの強み」になります。なお、当コラムの内容は2022年4月25日現在の情報に基づいています。

1. 持続化補助金に採択されチラシなどの販促物を作成した小売店の事例⑦[自社や自社の提供する商品・サービスの強み編]

持続化補助金に採択されチラシなどの販促物を作成した小売店の事例⑦[自社や自社の提供する商品・サービスの強み編](1)切り口を明確にする

 「切り口」は物事の着眼点を指し、複数の「切り口」があるということは、複数の視点で物事を捉えることになります。とはいえ、とにかく「切り口」が多ければよいというものでもなく、その適切性も考慮する必要がありますが、同店は「取扱商品や品揃えの強み」「価格の強み」「チャネルの強み」「販売促進の強み」という4つの切り口を用いていました。

 これらは「Product:商品」「Price:価格」「Place:チャネル」「Promotion:販促活動」であることから、マーケティングの4Pと呼ばれます。当補助金は販路開拓に要する費用が対象となっていますので、このようなマーケティングの切り口を用いた強みの分析は有効と言えるのではないでしょうか。

持続化補助金に採択されチラシなどの販促物を作成した小売店の事例⑦[自社や自社の提供する商品・サービスの強み編](2)「だから何?」を考える

 一見強みと思える記述であっても実はそうではない記述が盛り込まれているケースは多々あります。よって「だから何?」を活用して強みを見定めていくことをお勧めしています。

 同店は当欄に「新聞・テレビに取り上げられたことがある」という記述をしていましたが、それだけでは冒頭に示した「顧客に価値を与えることのできる差別的優位性」にはなり得ないでしょう。

 そこで「新聞・テレビに取り上げられたことがある」→「だから何?」と自問すると「知名度が高く、同店の特徴を多くの方が知っている」という強みが浮かび上がってくることになり、それを付け加えていただきました。

持続化補助金に採択されチラシなどの販促物を作成した小売店の事例⑦[自社や自社の提供する商品・サービスの強み編](3)「それはなぜ?」を考える

 前述の「だから何?」とセットで用いたいのが「それはなぜ?」という質問です。同店は「新聞・テレビに取り上げられたことがある」わけですが「それはなぜ?」と自問すると「創業から160年以上が経過し、店内が昭和レトロな雰囲気であるから」「公共性の高い新規事業を開発する問題意識と発想力があるから」などが挙げられ、それを付け加えていただきました。

 つまり「新聞・テレビに取り上げられたことがある」要因に強みが隠されている可能性があるということです。この「それはなぜ?」と前述の「だから何?」はロジカルシンキングで用いられる手法ですが、強みを見出す場合にこれらを活用することで、正確な強みを見出すことが可能になります。

 今回のコラムでは、持続化補助金に採択されチラシなどの販促物を作成した小売店がどのようにして採択レベルの計画書を作成したのかというテーマの中で、<経営計画>「3.自社や自社の提供する商品・サービスの強み」の書き方として、(1)切り口を明確にする、(2)「だから何?」を考える、(3)「それはなぜ?」を考える、を述べました。

 次回のコラムでは、様式2-1経営計画書兼補助事業計画書①<経営計画>「4.経営方針・目標と今後のプラン」を見ていきます。なお、当シリーズのバックナンバーは以下となります。

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