小規模事業者持続化補助金の採択ポイント:スナックの事例⑤

小規模事業者持続化補助金

 同店は創業3年目を迎えたスナックです。経営者であるママとその娘の2名で切り盛りしており、会席料理を提供するなど比較的高級路線で運営していましたが、新型コロナウイルスの感染が広がり、営業時間を短くしたり、営業自体を自粛したりした結果、売上が8割以上減少してしまいました。

 そこで、現状を打破するために(1)ホームページの新規立ち上げ、(2)チラシの作成・折込の実施、(3)webでの広告を行うこととし、その費用の一部について小規模事業者持続化補助金を活用することとしました。

 弊社はその際に応募用の計画書を作成するご支援を行い、結果として同店は当補助金に採択されましたが、どのように計画書を作成したのかをご紹介します。

 下図は応募時に作成する書類ですが、今回のコラムでは以下の赤枠部分、様式2-1 経営計画書兼補助事業計画書①<補助事業計画>Ⅰ.補助事業の内容「2.販路開拓等(生産性向上)の取組内容」をどのように記載したのかを見ていきます。

 なお、「1.補助事業で行う事業名」に関しては事例で理解する低感染リスク型ビジネス枠の採択ポイント③をご参考にしてください。

1.「販路開拓等(生産性向上)の取組内容」の書き方

(1)全体像を示す

 当欄は<補助事業計画>の一部ですので、「販路開拓等(生産性向上)の取組内容」はあくまでも補助金を使って何をするのかという説明に絞る必要があります。その際に重要なのは、まず何に補助金を使うのかという全体像を示すことです。

 この補助金を使う事業が補助事業なわけですが、<補助事業計画>を読み込んでも、結局何が補助事業なのかが分からず、経費明細表まで読み込んでやっと理解できるケースは多々あります。

 まずは、全体像を示すことが読み手の理解を深めますが、同店はまず「販路開拓等(生産性向上)の取組内容(1)ホームページの新規立ち上げ、(2)チラシの作成・折込の実施、(3)web広告の実施である。」と記載をしました。

(2)具体的に記載する

 補助事業は具体的に説明することが読み手の理解を深めますし、自身が何を行うべきかがはっきりしてきます。補助金はそのルールブックとして、その補助金毎の「公募要領」が公開されますが、小規模事業者持続化補助金に関しても、日本商工会議所、全国商工会連合会が公募要領を公開しています。

 その中に「審査の観点」というページがあります。これは文字通り、どのような観点から審査をするのかを示したわけですが、補助事業計画の有効性として「補助事業計画は具体的で、当該小規模事業者にとって実現可能性が高いものとなっているか。」という記載があります。

 よって同店は、いつ(When)・だれが(Who)・なにを(What)・なぜ(Why)・どこで(Where)・どのように(How)行うのかという5W1Hを用いて補助事業を説明しました。

(3)各事業について説明をする

 同店の補助事業は(1)ホームページの新規立ち上げ、(2)チラシの作成・折込の実施、(3)web広告の実施、の3点なわけですが、この3つそれぞれについて5W1Hで説明をする必要があります。ホームページの新規立上げであれば、以下のように記載をしました。

 このような5W1Hの表をホームページの新規立ち上げだけでなく、チラシの作成・折込の実施、web広告の実施という補助事業の説明にも用いました。

 このようにして「2.販路開拓等(生産性向上)の取組内容」を記載しましたが、次回は「4.補助事業の効果」を見ていきます。

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