エステサロンを営む同店は創業後、有料の宣伝広告にはさほど力を入れずとも何とか事業が継続でき、17年が経過していました。しかし最近は平日における来店客数が非常に少なくなってきたことに危機感を抱いておりました。
そこで、スマートフォンに対応したホームページの立上げとweb広告を実施することとし、その費用の一部を小規模事業者持続化補助金で調達することを考えました。この際に、弊社は同店が予め作成した計画書をブラッシュアップする形でご支援しましたが、採択の可能性を高めるためにどのような観点からこれを行ったのかをご紹介します。
今回のコラムでは、下図の提出書類一覧表の赤枠部分、「様式2-1経営計画書兼補助事業計画書①」<経営計画>「4.経営方針・目標と今後のプラン」を見ていきます。なお、当コラムの内容は2021年2月24日時点での情報に基づいています。
1.「経営方針・目標と今後のプラン」記載の仕方
同店が事前に記載されてきた「経営方針・目標と今後のプラン」は概ね以下の内容となっていました。
【経営方針】
当店のようなアットホームな雰囲気でいつも笑顔があふれる店があることを多くの人に知っていただき、利用してもらうことにより地域に貢献したい
【目標】
- 売上高目標:前年対比110%
- 人員目標:従業員を1名雇用する
【今後のプラン】
- 平日昼間のエステ料金を値下げして客数を増やし、希望者にはメイクを無料サービスすることにより他店と差別化をはかるとともに化粧品の販売につなげる。
- 地域で仕事をしている、もしくは地域に居住している女性に当店や当店のサービスを知ってもらうためスマートフォン用ホームページを専門業者に依頼し7月中に完成させる。
- ホームページを多くの人に閲覧してもらうために7月から11月までリスティング広告をして新規集客を増やす。
上記をどのようにブラッシュアップしていったかを以下で見ていきます。
(1) 【経営方針】と【目標】を混同しない
【経営方針】は事業の方向性であり、行き着く先、つまり目的や目標ではありません。同店は【経営方針】に「地域に貢献したい」という目標を記載していますが、そのための方向性は、平日日中の客数を増やすということですので、それらを【経営方針】として記載していただきました。
(2) 【目標】は期限を切る
【目標】は達成するために設定しますので、いつまでに達成するのかという期限を切る必要があります。同店の【目標】は期限が設けられていませんでしたので、いつまでに売上高を前年比110%にして、雇用を増やすのかを記載していただきました。また、【経営方針】に記載されていた「地域に貢献したい」は目標ですので、こちらに移動していただきました。
(3) 【今後のプラン】が補助事業計画にならないようにする
経営資源は、人・物・金・情報から成り立ちますが、同店は、補助金でスマホ対応のホームページの立上げとweb広告を実施して情報的資源を充実させようとしています。そしてその他の経営資源は、どのようにして充実させるのかが【今後のプラン】から読み取ることができませんでした。
つまり【今後のプラン】がほぼ補助事業計画になっていますので、それも含めた広い視点から、ここ3年間でどのような行動を起こして経営資源を充実させていくのかを記載していただきました。
このようにして、同店が書かれてきた「4.経営方針・目標と今後のプラン」をブラッシュアップしていきましたが、次回のコラムでは「様式2-1経営計画書兼補助事業計画書①」<補助事業計画>Ⅰ.補助事業の内容「2.販路開拓等(生産性向上)の取組内容」を見ていきます。以下は、当シリーズのバックナンバーです。
持続化補助金で集客力向上に挑んだエステサロンの申請書作成事例④
持続化補助金で集客力向上に挑んだエステサロンの申請書作成事例③
持続化補助金で集客力向上に挑んだエステサロンの申請書作成事例②
持続化補助金で集客力向上に挑んだエステサロンの申請書作成事例①
2.小規模事業者持続化補助金の申請書類作成をサポートします
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