持続化補助金<低感染リスク型>に採択された写真スタジオの事例③

小規模事業者持続化補助金

 同店は写真スタジオを営んでいますが、新型コロナウイルス感染症の影響による外出自粛により、写真撮影の需要が激減し、業績が悪化してしまいました。

 そこで、インターネットで写真を販売したり、撮影をより充実させるために撮影機器の設置をしたりするための費用を小規模事業者持続化補助金<低感染リスク型ビジネス枠>で調達することとし、計画書を作成して申請をした結果、採択されました。この同店が作成した計画書の内容から、採択を引き寄せる計画書の書き方を見ていきます。

 下図は当補助金を申請する際に作成する「【様式1】経営計画および補助事業計画」の構成ですが、今回のコラムでは赤枠部分<補助事業計画>「2.補助事業の内容」の書き方について見ていきます。なお、当コラムの内容は2022年2月25日時点の情報に基づいています。

1.持続化補助金<低感染リスク型>に採択された写真スタジオの事例 [補助事業の内容編]

持続化補助金<低感染リスク型>に採択された写真スタジオの事例 [補助事業の内容編](1)冒頭で概要を端的に記載する

 当欄の冒頭から、補助事業の内容を細かく説明するケースが見受けられますが、このような説明に接した読み手は、全体感が把握できず、理解が進まないリスクがあります。これに対して、同店は当欄の冒頭に補助事業の概要を端的に記載した上で、細かな説明を記載していました。

 このように、まず全体を端的に示すことにより、読み手は全体感を踏まえた上で細部の説明を読むことになりますので、理解は進みやすくなり、このことが採択を引き寄せた要因のひとつと考えられます。

持続化補助金<低感染リスク型>に採択された写真スタジオの事例 [補助事業の内容編](2)求められていることを漏れなく記載する

 前述した「【様式1】経営計画および補助事業計画」のフォーマットは小規模事業者持続化補助金<低感染リスク型ビジネス枠>のホームページからダウンロードできます。これを見ると、今回見ていく<補助事業計画>「2.補助事業の内容」欄には以下の但し書きがあります。

※感染拡大防止のための対人接触機会の減少に資する新たなビジネスやサービス、生産プロセスの導入等の取組について、取組内容実施体制スケジュールを具体的に記載してください。

 さらに当欄には、■補助事業内容(取組内容)、■必要な理由、■事業実施スケジュール、という見出しも設けられています。これらを総合的に判断すると、当欄に記載が求められているのは、但し書きと見出しにある取組内容実施体制スケジュール必要な理由、ということになります。同店はこれらを漏れなく記載していたことが採択を引き寄せた要因のひとつと考えられます。

 なお、前述の小規模事業者持続化補助金<低感染リスク型ビジネス枠>のホームページ内「申請資料・様式」(下図矢印①)では、記入サンプル(下図矢印②)をダウンロードできます。

 このサンプルの中で、今回見ている<補助事業計画>「2.補助事業の内容」には以下のポイントが記載されています。

 上図赤枠部分にあるこれまでの自社・他社の取り組みと異なる点、創意工夫した点、特徴も意識して記載すると採択はより確実になった印象があります。

持続化補助金<低感染リスク型>に採択された写真スタジオの事例 [補助事業の内容編](3)ビジュアルに訴求する

 同店の補助事業は、インターネットで写真を販売するためのサイト構築と、撮影をより充実させるための撮影機器を設置することですが、同店はこれら取組内容をビジュアルに訴求しておりました。

 サイト構築の説明であれば組織図のように階層構造を図で示し、トップページの下にどのようなページを作成するのかがわかる図を盛り込み、撮影機器の説明であればその写真を示し、どのような機器を導入するのかを盛り込んでおりました。

 さらに、スケジュールの説明では、縦軸に実施事項、横軸に時間軸をとった表を作成し、何をいつ実施するのかが一目で分かるようにしていました。このように文章だけでなくビジュアルに訴求して、補助事業の内容を理解しやすくしていた点も同店が採択を引き寄せた要因のひとつと考えられます。

 なお、同店は実施体制を文章だけで説明していましたが、これも図にすることは可能だったと考えられ、これによって読み手の理解はさらに深まったと考えられます。

持続化補助金【低感染リスク型】に採択された写真スタジオの事例 [補助事業の内容編](4)なぜ対人接触機会が減るのかを記載する

 当補助金事業の目的には、下図公募要領の下線部分のように、対人接触機会の減少があります。

 同店は、計画書に「オンライン」「リモート」といったキーワードを多数盛り込んでおりましたが、その補助事業を実施することによって対人接触機会の減少が実現される明確な根拠を読み取ることができませんでした。

 特に、サイトを構築して自店が撮影した写真をオンラインで販売するのは理解できますが、もう一つの補助事業である撮影機器の導入が対人接触機会の減少にどのように寄与するのかは不明でした。

 どうもこの辺りが釈然としない計画となっていましたので、この点を意識して説明を盛り込むことによって、より採択の可能性が高まったと考えられます。

 今回のコラムでは、小規模事業者持続化補助金<低感染リスク型>に採択された計画書の<補助事業計画>「2.補助事業の内容」から、採択を引き寄せる書き方として(1)冒頭で概要を端的に記載する、(2)求められていることを漏れなく記載する、(3)ビジュアルに訴求する、(4)なぜ対人接触機会が減るのかを記載する、を挙げました。

 次回は<補助事業計画>「3.補助事業の効果」を見ていきますが、同店を採り上げたこれまでのコラムは以下となります。

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