持続化補助金<低感染リスク型>に採択された写真スタジオの事例①

小規模事業者持続化補助金

 同店は写真スタジオを営んでいますが、新型コロナウイルス感染症の影響による外出自粛により、写真撮影の需要が激減し、業績が悪化してしまいました。

 そこで、インターネットで写真を販売したり、撮影の質を向上させるための撮影機器の充実を図ったりするための費用を小規模事業者持続化補助金<低感染リスク型ビジネス枠>で調達することとし、計画書を作成して申請をした結果、採択されました。この同店が作成した計画書の内容から、採択を引き寄せる計画書の書き方を見ていきます。

 下図は当補助金を申請する際に作成する「【様式1】経営計画および補助事業計画」の構成ですが、今回のコラムでは赤枠部分<経営計画>「1.自社の事業概要」の書き方について見ていきます。なお、当コラムの内容は2022年2月23日時点の情報に基づいています。

1.持続化補助金<低感染リスク型>に採択された写真スタジオの事例 [自社の事業概要編]

持続化補助金<低感染リスク型>に採択された写真スタジオの事例 [自社の事業概要編](1)スペースを確保する

 当補助金に申請するには、前述の「【様式1】経営計画および補助事業計画」を作成する必要がありますが、この計画書フォーマットは小規模事業者持続化補助金<低感染リスク型ビジネス枠>のホームページからダウンロードでき、その内容は以下となっています。

 このフォーマットに記載されている内容の中でポイントになるのは、フォーマット冒頭に記載のある<経営計画>及び<補助事業計画>は、合計最大5枚までとしてください。「本注意事項」、下記の「<経営計画>及び<補助事業計画>内の黄色塗りつぶしの文書」については、申請時に削除して構いません。という記述です。

 つまり、計画書は5枚以内に収める必要がある中、多くの情報を読み手に伝えるには、削除できるものは削除して説明のスペースを確保する必要があるということです。

 同店は「注意事項」と「黄色塗りつぶしの文書」をすべて削除することによって、約600文字の説明スペースを確保し、削除しない事業者に比べて情報をより多く盛り込んでいました。このことは採択にポジティブな影響を及ぼしたものと考えられます。

 なお、弊社ではこの「注意事項」の意図を踏まえ、当フォーマットの最終ページ欄外の3つの※印がついた5行も削除して構わないと判断しています。

持続化補助金【低感染リスク型】に採択された写真スタジオの事例 [自社の事業概要編](2)不要な内容を記載しない

 前述の計画書フォーマットですが、今回見ている<経営計画>「1.自社の事業概要」には、※自社の概要や経営状況、課題、特徴、自らが製造・販売・提供している商品・サービスの内容や市場動向等について記載してください。また、自社の経営方針・目標等についても記載してください。という記載があります。

 このうち、自社の概要経営状況課題特徴自らが製造・販売・提供している商品・サービスの内容市場動向等については、「自社の現状」についての説明が求められています。これに対して、自社の経営方針・目標等「自社の今後」についての説明が求められています。

 同店が当欄に記載した内容は、現状と今後についてある程度把握できる内容でしたが、現状に関する説明で同店は自店の弱みを記載しておりました。当補助事業は自社の強みを活用した事業展開が求められているため、この記載は不要と考えられます。

 このことは、申請時のルールブック「公募要領」の下図「審査の観点」の下線部分からも読み取れます。これは、前述の小規模事業者持続化補助金<低感染リスク型ビジネス枠>のホームページからダウンロードできます。

 また、自社の売上動向の記載もありましたが、これは、次回のコラムで見ていく「2.新型コロナウイルス感染症の影響・既に取り組んでいる対策」に盛り込むべき内容と判断できます。

 不要な内容は記載せず、書くべき場所に書くべき内容を書くことで計画書の読みやすさは格段に向上しますが、同店がそこまで意識されていると採択はより確実になった印象があります。

持続化補助金【低感染リスク型】に採択された写真スタジオの事例 [自社の事業概要編](3)求められている内容をヌケモレなく記載する

 前述の通り、同店は今後について経営方針の記載をしていましたが、目標の記載はありませんでした。フォーマットにわざわざ但し書きが設けられ、書くべき項目が指定されている以上、それらに対してヌケモレなく記載することは重要なポイントです。

 そもそも、経営方針を立案する意義のひとつに目標達成があるはずであり、経営方針と目標はセットで考えるべき内容です。同店がこれらをより強く意識し、ヌケモレなく記載することは、採択にポジティブな影響をさらにもたらした印象があります。

持続化補助金【低感染リスク型】に採択された写真スタジオの事例 [自社の事業概要編](4)ビジュアルに訴求する

 同店は、当欄に自社の概要として経営者の写真経営者が撮影した風景の作品を、また、市場動向として写真市場における市場規模をグラフで示しておりました。

 文章だけの説明では読み手の集中力が削がれがちで、結果として計画書の内容を理解することが困難になるケースも多いわけですが、このようにビジュアルに訴求することで、理解が進み、採択にポジティブな影響を及ぼしたものと考えられます。

 今回の今回のコラムでは、小規模事業者持続化補助金<低感染リスク型>に採択された計画書の<経営計画>「1.自社の事業概要」から、採択を引き寄せる書き方として(1)スペースを確保する、(2)不要な内容を記載しない、(3)求められている内容をヌケモレなく記載する、(4)ビジュアルに訴求する、を挙げました。

 次回は<経営計画>「2.新型コロナウイルス感染症の影響・既に取り組んでいる対策」を見ていきます。

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