持続化補助金<低感染リスク型>に採択された写真スタジオの事例②

小規模事業者持続化補助金

 同店は写真スタジオを営んでいますが、新型コロナウイルス感染症の影響による外出自粛により、写真撮影の需要が激減し、業績が悪化してしまいました。

 そこで、インターネットで写真を販売したり、撮影をより充実させるために撮影機器の設置をしたりするための費用を小規模事業者持続化補助金<低感染リスク型ビジネス枠>で調達することとし、計画書を作成して申請をした結果、採択されました。この同店が作成した計画書の内容から、採択を引き寄せる計画書の書き方を見ていきます。

 下図は当補助金を申請する際に作成する「【様式1】経営計画および補助事業計画」の構成ですが、今回のコラムでは赤枠部分<経営計画>「2.新型コロナウイルス感染症の影響・既に取り組んでいる対策」の書き方について見ていきます。なお、当コラムの内容は2022年2月24日時点の情報に基づいています。

図表

1.持続化補助金<低感染リスク型>に採択された写真スタジオの事例 [新型コロナウイルス感染症の影響・既に取り組んでいる対策編]

持続化補助金<低感染リスク型>に採択された写真スタジオの事例 [新型コロナウイルス感染症の影響・既に取り組んでいる対策編](1)内容を切り分ける

 言わずもがなの話ですが、当欄のタイトルは「新型コロナウイルス感染症の影響・既に取り組んでいる対策」です。また、当計画書フォーマットの当欄には※新型コロナウイルス感染症による自社の経営や事業環境への影響を記載してください。また、現在取り組んでいる対策を記載してください。という但し書きがあります。

 よって、新型コロナウイルス感染症の影響とこれを受けて既に取り組んでいる対策の記載が求められています。そして、これらを記載することが目的ではなく、記載した内容を読み手に理解していいただくことが目的のはずですから、わかりやすく記載する必要があります。

 そこで、これらを一緒にして述べるのではなく、【新型コロナウイルス感染症の影響と【既に取り組んでいる対策】という形で、見出しを設けて別々に記載することが効果的と言えます。同店はこれを実施して内容を整理・整頓して記載していたことが採択にポジティブな影響を及ぼしたものと考えられます。

持続化補助金<低感染リスク型>に採択された写真スタジオの事例 [新型コロナウイルス感染症の影響・既に取り組んでいる対策編](2)影響を数値で示す

 同店は、新型コロナウイルス感染症の影響として、コロナ前の2019年、コロナ禍の2020年・2021年各年における特定の3か月を抜き出し、各月の売上高を数値で述べておりました。この際に、縦軸に月、横軸に年をとり、それぞれの売上高を表形式でまとめていました。

 これを見ると年を追うごとに、売上高が減少傾向であることが容易に分かりますので、このような記載は採択にポジティブな影響を及ぼしたものと考えられます。

 なお、より正確な影響を読み手に訴求するのであれば、特定の3か月ではなく12か月それぞれの売上高を記載すること、より影響を分かりやすくするのであれば、売上高だけでなく前年比・前々年比や減少率も記載することを心がけると良いでしょう。

持続化補助金【低感染リスク型】に採択された写真スタジオの事例 [新型コロナウイルス感染症の影響・既に取り組んでいる対策編](3)リスク低減の対策を記載する

 同店は、既に取り組んでいる対策として、新型コロナウイルスの感染リスク低減を目的とした対策を盛り込んでおりました。

 具体的には、出社時の検温やマスクの着用、PCR検査などですが、新型コロナウイルス感染症の影響を受けての対策ですから、このような感染リスク低減の対策を記載したことは採択にポジティブな影響を及ぼしたものと考えられます。

持続化補助金【低感染リスク型】に採択された写真スタジオの事例 [新型コロナウイルス感染症の影響・既に取り組んでいる対策編](4)収益拡大の対策を記載する

 同店は、既に取り組んでいる対策として、感染リスク低減の対策だけでなく、収益拡大の対策も盛り込んでおりました。当欄は感染リスク低減の対策だけを記載する事業者が多い印象がありますが、その内容は他の申請者とほとんど同じになります。

 ですが、新型コロナウイルス感染症の影響として収益性が低下したのであれば、感染リスク低減の対策だけでなく、同店のように収益拡大の対策も記載する必要はありますし、その内容は他の申請者との差別化に繋がるでしょう。

 補助金は計画書の完成度を競います。よって、他の申請者と差別性のある対策を記載することは採択にポジティブな影響を及ぼしたものと考えられます。

持続化補助金【低感染リスク型】に採択された写真スタジオの事例 [新型コロナウイルス感染症の影響・既に取り組んでいる対策編](5)補助事業との整合性を意識する

 当補助事業は「新たな」取組みが求められていますが、これはコロナ前に実施していなかった取組みと捉えることができ、既に実施していたとしてもそれが新型コロナウイルス感染症の影響を受けてのものであれば、「新たな」取組みであると解釈できます。

 同店は、収益拡大のために既に取り組んでいる対策をより推し進めるために補助金を使うことを盛り込んでおり、現状の対策と補助事業の整合性がとれていたことも、採択にポジティブな影響を及ぼしたものと考えられます。

 今回のコラムでは、小規模事業者持続化補助金<低感染リスク型>に採択された計画書の<経営計画>「2.新型コロナウイルス感染症の影響・既に取り組んでいる対策」から、採択を引き寄せる書き方として(1)内容を切り分ける、(2)影響を数値で示す、(3)リスク低減の対策を記載する、(4)収益拡大の対策を記載する、(5)補助事業との整合性を意識する、を挙げました。

 次回は<補助事業計画>「2.補助事業の内容」を見ていきますが、同店を採り上げた前回のコラムは以下となります。

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