洋菓子通販業へ転換を図った事業者の持続化補助金採択事例⑤

小規模事業者持続化補助金

 その事業者は、代表1名でシステムの構築を主たる事業としていましたが、代表はご自身の年齢に伴う体力面や技術進展状況への対応などを鑑み、主たる事業を転換する必要性を感じておりました。そんな中、たまたま出会った洋菓子の魅力にとりつかれ、洋菓子のネット通販へ徐々に転換していくこととしました。

 そのためには、厨房設備の設置など製造に関わる投資や、ホームページの構築など販売に関わる投資が必要と判断し、小規模事業者持続化補助金でその資金を調達することとしました。そのご支援を弊社が行い、結果として採択されたわけですが、どのようにしてこの事業者が、採択レベルの計画書を作成していったのかをご紹介していきます。

 今回のコラムでは、下図の提出書類一覧表の赤枠部分、「様式2-1経営計画書兼補助事業計画書①」<補助事業計画>Ⅰ.補助事業の内容「2.販路開拓等(生産性向上)の取組内容」を見ていきます。

 なお、当コラムでは<補助事業計画>のうち、「1.補助事業で行う事業名」は公序良俗に反しない限り、30文字以内にまとめるだけで済むという認識であること、「3.業務効率化(生産性向上)の取組内容」は任意記入であることから解説を割愛しています。

1.「販路開拓等(生産性向上)の取組内容」記入の仕方

(1)概要を一言で書く

 同社が補助金を使って実施したいことは、厨房設備を設置する改装工事とホームページ構築の2点です。よって同欄にはこの2つの取組の説明を盛り込むこととなります。言い換えればそれ以外の記述は必要ないわけで、まずは、冒頭で「販路開拓等(生産性向上)の取組内容は(1)改装工事、(2)ホームページ構築である」と端的に述べました。

(2)具体的に書く

 次に前述の2つの取組内容を説明していくわけですが、この際にも「公募要領」を意識する必要があります。中小企業の支援策として様々な補助金がありますが、それぞれの補助金が公募を開始する際には、ルールブック的な役割を果たす「公募要領」が公開されます。

 これは小規模事業者持続化補助金でも同様であり、当補助金の事務局的な役割を果たしている日本商工会議所全国商工会連合会が公表している「公募要領」には、下図のように審査をどのような観点から行うかという記述があり、そのうち赤枠部分(1)には「補助事業は具体的で」とあります。

 弊社では「具体的である」とは、いつ(When)、だれが(Who)、なにを(What)、なぜ(Why)、どこで(Where)、どのように(How)行うのかという5W1Hが明確であることと定義づけており、例えば、同社が実施する補助事業のひとつである【改装工事】であれば以下のように記載しました。

 なお、上図の3行目「なにを改装するのか」の下部青枠部分に「創意工夫の特徴」とありますが、これについて以下で詳しくご説明します。

(3)創意工夫の特徴を書く

 前述の「公募要領」で審査の観点をご紹介しましたが、その中の赤枠部分(2)に「創意工夫の特徴があるか」という記述があります。これに対応するべく、「販路開拓等(生産性向上)の取組内容」欄においては、それを記載する必要があります。

 当事例では、5W1Hのうち「なにを改装するのか」の部分に「製造作業の効率を高めるため、折り畳み式作業台・シンク・冷蔵庫・食器棚のみというコンパクトな作りとする」と記載し、これを「創意工夫の特徴」としていることを読み手にアピールするべく、「なにを改装するのか」の下に「創意工夫の特徴」とあえて盛り込んでいます。

 このようにしてを「2.販路開拓等(生産性向上)の取組内容」を記載しましたが、次回のコラムでは「4.補助事業の効果」を見ていきます。なお、当シリーズのバックナンバーは以下となります。

 洋菓子通販業へ転換を図った事業者の持続化補助金採択事例①

 洋菓子通販業へ転換を図った事業者の持続化補助金採択事例②

 洋菓子通販業へ転換を図った事業者の持続化補助金採択事例③

 洋菓子通販業へ転換を図った事業者の持続化補助金採択事例④

2.小規模事業者持続化補助金の申請書類作成をサポートします

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