洋菓子通販業へ転換を図った事業者の持続化補助金採択事例⑥

小規模事業者持続化補助金

 その事業者の代表は1名でシステムの構築を主たる事業としていましたが、ご自身の年齢に伴う体力面や技術進展状況への対応などを鑑み、主たる事業を転換する必要性を感じておりました。そんな中、たまたま出会った洋菓子の魅力にとりつかれ、洋菓子のネット通販へ徐々に転換していくこととしました。

 そのためには、厨房設備の設置など製造に関わる投資や、ホームページの構築など販売に関わる投資が必要と判断し、小規模事業者持続化補助金でその資金を調達することとしました。そのご支援を弊社が行い、結果として採択されたわけですが、どのようにしてこの事業者が、採択レベルの計画書を作成していったのかをご紹介していきます。

 今回のコラムでは、下図の提出書類一覧表の赤枠部分、「様式2-1経営計画書兼補助事業計画書①」<補助事業計画>Ⅰ.補助事業の内容「4.補助事業の効果」を見ていきます。

 なお、当コラムでは<補助事業計画>のうち、「1.補助事業で行う事業名」は公序良俗に反しない限り、30文字以内にまとめるだけで済むという認識であること、「3.業務効率化(生産性向上)の取組内容」は任意記入であることから解説を割愛しています。

1.「補助事業の効果」記入の仕方

(1)3者の効果を記載する

 補助事業の効果として、多くの場合、売上や利益の上昇といった「自社の効果」のみを記載しがちですが、「自社の効果」を得るには、その前提となる「顧客の効果」を検討することが必要です。さらに、補助金は公的資金ですから「社会的な効果」も記載することにより、補助金を交付されるべき事業者であることを訴求できることになります。

(2)「顧客の効果」のポイント

 「顧客の効果」の基本的な考え方は、「補助金を使うことによって多くの見込み客に当社の強みをお届けできる」、もしくは、「補助金を使うことによって提供する商品・サービスの品質が向上し便益が高まる」といったものであり、これらを踏まえて記載しました。

(3)「社会的な効果」のポイント

 「社会的な効果」の基本的な考え方は、「地域経済の活性化」「雇用の増加」「納税額の向上」といったものになります。キレイ事やとってつけた内容という指摘もありますが、公的資金を使う事業者として、ちゃんと社会にも目を向けているというスタンスのアピールが必要と考えます。

(4)具体例

 上記を踏まえ、同社の場合、概ね以下の内容を記載しました。

 【当社の効果】

  • 洋菓子の通販という2本目の収益が確立し、リスク分散が可能となる。
  • 売れる仕組みの販売という3本目の収益の土台ができる。

 【顧客の効果】

  • 消費者としては、糖分の押さえられた健康的なスイーツを楽しむことができる。
  • 洋菓子店としては、良いものを作れば売れるといった職人的な考え方から、仕組みで販売するという考えにシフトし、安定的な収益を手にすることが可能となる。

 【社会的な効果】

  • インターネットによる非対面販売の普及が促進され、商圏が広がり、収益性向上の可能性が高まる。
  • これにより、洋菓子店の継続性が高まり、廃業が減少するとともに納税額の向上を見込むことができる。

 このようにして「様式2-1経営計画書兼補助事業計画書①」を記載しましたが、同社の場合、事業転換が大きなテーマであり、補助事業がこれから取組む転換後の新事業であったことが特徴でした。

 よって、転換前の事業経験が転換後の事業展開に生きることを前面に出して計画書を作成したことが採択に大きく近づいたポイントと感じています。なお、当シリーズのバックナンバーは以下となります。

 洋菓子通販業へ転換を図った事業者の持続化補助金採択事例①

 洋菓子通販業へ転換を図った事業者の持続化補助金採択事例②

 洋菓子通販業へ転換を図った事業者の持続化補助金採択事例③

 洋菓子通販業へ転換を図った事業者の持続化補助金採択事例④

 洋菓子通販業へ転換を図った事業者の持続化補助金採択事例⑤

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