小規模事業者持続化補助金とは?初めて申請する方のためのコラム⑦

小規模事業者持続化補助金

 「持続化補助金の計画書を専門家に作ってもらう際の謝金は、補助対象経費になりますか」というご質問は非常に多くいただきます。この費用は交付決定前に発生した経費であり、交付決定後に実施する補助事業の経費ではありませんので、補助対象にはならないと判断できます。

 ですが、補助事業を遂行するために専門家を活用する場合や、インボイス対応に関して専門家に相談する場合は、話が異なってきます。この場合の謝金は「⑪委託・外注費」に該当しますが、今回のコラムではこの「⑪委託・外注費」と「⑩設備処分費」について下記サイトからダウンロードできる「ガイドブック」「公募要領」を参考にしながら見ていきます。

小規模事業者持続化補助金(一般型)
小規模事業者持続化補助金は、持続的な経営に向けた経営計画に基づく、小規模事業者等の地道な販路開拓等の取り組みや、業務効率化の取り組みを支援するため、それに要する経費の一部を補助いたします。
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 どちらのサイトを自社は利用するべきかという点については、小規模事業者持続化補助金とは?初めて申請する方のためのコラム①を参考にしてください。なお、当コラムの内容は2022年5月16日時点での情報に基づいています。

 また、ガイドブックや公募要領を読んでも、自社の使いたい経費が補助対象になるかならないか判断に迷う方は事務局に連絡して直接質問することをお勧めしますが、この際は回答した担当者のお名前を控えましょう。これは担当者によって回答が異なることがあり、後々のトラブルを防止するためです。

1.小規模事業者持続化補助金とは? Part7[対象経費編]

小規模事業者持続化補助金とは?Part7[対象経費編](1)設備処分費は補助対象経費総額の2分の1まで

 公募要領には「⑩設備処分費」に関して「販路開拓の取組を行うための作業スペースを拡大する等の目的で、当該事業者自身が所有する死蔵の設備機器等を廃棄・処分する、または借りていた設備機器等を返却する際に修理・原状回復するのに必要な経費」という記載があります。

 例えば「①機械装置等費」を使って販路拡大を目的とした機械を導入しようとしても、古い機械を処分しなければ新品を設置するスペースがない場合に、古い機械を処分する費用などが該当すると考えられます。

 なお、この費目は補助対象経費の2分の1までというルールがあります。つまり、50万円の補助金を申請する場合、25万円が設備処分費としての補助上限額ということになります。

小規模事業者持続化補助金とは?Part7[対象経費編](2)自社で実施可能な業務の委託・外注は対象外

 公募要領には「⑪委託・外注費」に関して「上記①から ⑩に該当しない経費であって、補助事業遂行に必要な業務の一部を第三者に委託(委任)・外注するために支払われる経費(自ら実行することが困難な業務に限ります。)」という記載があります。

 上記の太線部分について、例えばチラシを作成する会社が、自社を広告するチラシの作成を他者に依頼した場合の作成費用は対象外ということですが、自社のホームページや定款に自社の業務として「チラシの作成」といった趣旨の記載があった場合に、対象外になるといった内容が公募要領に記載されています。

小規模事業者持続化補助金とは?Part7[対象経費編](3)専門家への相談謝金は「⑪委託・外注費」

 2022年2月2日に締め切りを迎えた持続化補助金第7回までは、補助対象経費の費目として「専門家謝金」がありましたが、今回から当該費目はなくなりました。そして、公募要領「⑪委託・外注費」の対象例として以下が記載されました。

 「インボイス制度対応のための取引先の維持・拡大に向けた専門家(税理士、公認会計士、中小企業診断士等)への相談費用」

 この「インボイス制度対応」の定義が不明ですが、かなり幅広い範囲が対象となることが想定されます。これまで免税だった事業者が、取引先の維持を図るために課税事業者になろうとする場合に、資金繰りやマーケティング、人材の充実といった多くの課題が考えられ、それらを解決するために専門家に相談するケースは、全て「インボイス制度対応」と解釈できるためです。

小規模事業者持続化補助金とは?Part7[対象経費編](4)改装工事費用は「②広報費」や「③ウェブサイト関連費」とセットで申請したい

 これは公募要領やガイドブックではなく弊社の経験値に基づくものですが、持続化補助金制度発足当初は、飲食店がトイレを和式から洋式へ改装したり、お座敷を掘りごたつ式に改装したりといった改装工事の費用だけを申請し、採択されるケースが多かった印象があります。

 この費用は今回のコラムで言うところの「⑪委託・外注費」になりますが、昨今はこれだけを申請しても不採択になるケースが散見されます。

 持続化補助金は販路開拓等の取組や、その取組と併せて行う業務効率化(生産性向上) の取組を支援するという目的がありますが、最近はトイレやお座敷の改装工事だけでは、その目的達成が困難と解釈されている可能性があります。

 そこで、店舗改装を告知するために「②広報費」や「③ウェブサイト関連費」を使って集客を図り、改装した店内の利便性を多くの方に認知していただく取組みをお勧めしています。

 今回のコラムでは、小規模事業者持続化補助金を理解していただくために「⑩設備処分費」「⑪委託・外注費」に関する内容として(1)設備処分費は補助対象経費総額の2分の1まで、(2)自社で実施可能な業務の委託・外注は対象外、(3)専門家への相談謝金は「⑪委託・外注費」、(4)改装工事費用は「②広報費」や「③ウェブサイト関連費」とセットで申請したい、を述べました。

 次回のコラムでは、初めて持続化補助金を申請する方のために、対象経費の支払い方法について見ていきます。なお、小規模事業者持続化補助金について基礎的な内容を解説した当コラムのバックナンバーは以下となりますのでご参考まで。 

2.当コラムの解説動画

3.小規模事業者持続化補助金の計画書作成をサポートします。

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5.電子書籍のご案内(2021年3月22日発行)

小規模事業者持続化補助金に応募したくなる本