生き残りをかけたロードサイド店が身の丈に合った経営をするには

経営の姿勢

斜陽産業であることを踏まえ多角化を進める経営者

 斜陽産業と呼ばれる業界の商品を取り扱っている、あるロードサイド店舗では、経営者の強烈な危機感とワクワク感を大事にする姿勢のもと、既存顧客を対象に、多角化を推し進めています。その経営者はさらに新たな事業を立上げ、多角化を推し進めたいと考えていますが、そのための資金調達について思案していました。

 この経営者は、やれる範囲で事業を大きくすればよいという考えがあり、これまで金融機関から借入を起こさない方針で事業展開を進めていました。
 また、決算書では利益が出ているものの、資金繰り表を見ると、さほど余裕があるようには見えず、経営者が会社に貸し付けている金額もそれなりにあります。
 自身の事業方針、そして資金繰りを考えると、多角化のために金融機関から借入を起こすのは身の丈を超えているのではないか、と言うのです。

身の丈を定性的に把握する

 この場合、一度、身の丈を越えてみる必要があると思います。身の丈を気にする経営者は、大きく身の丈を超えた経営をすることは、おいそれとはしないものです。そこであえて身の丈を超えたと思えるレベルの経営を行ってみるのです。それにより、自身の本当の身の丈を知ることができるでしょう。

身の丈を定量的に把握する

 もし、そのようなチャレンジに抵抗を感じるのであれば、金融機関に出向き、自社が今、いくら借りることができるのかを把握する。そして自社が今、毎月いくら返済する余力があるのかを資金繰り表から把握する。これが分かれば、現在は身の丈に比べて小さ過ぎる事業展開をしていることが見えてくるかもしれません。

儲かったら投資する?

 儲かってから投資をする、と言う経営者が意外と多い印象がありますが、そのような経営者が儲かるケースは少ないように思います。痩せたらビキニの水着を着る、と言う女の子がなかなか痩せないのと同じです。

 「身の丈」という言葉をインターネットで検索すると、身長や背丈という意味の他に無理をせず、力相応に対処すること、という意味があることが分かります。
 身の丈に合った経営を望ましい経営とするならば、自社の身の丈を定性的・定量的に把握することがまずスタートだと思いますが、いかがでしょうか。

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