人気があり儲かる整体院が顧客の骨格だけに着目しない理由

経営の姿勢

ある整体院が目指していること

 出張先の長野県松本市でちょっとしたご縁に恵まれ、写真の整体院に行ってきました。この整体院のホームページには「通わせない整体」を目指している、とあります。
 整体院Wingホームページ

 整体院に限った話ではありませんが、自店の儲けのためだけにあえて何度も通わせるように施術や治療をするようなところもあるようです。弊社の主たる事業であるコンサルティングにも当てはまる話で、同業者の中には、少しでも長く顧問契約を継続させるために、指摘するまでもない些細な社内の問題をあげつらったり、そのコンサルタントがいないと社内業務が回らない仕組みを取り入れたりするようなケースもあると聞いたことがあいます。

 こちらの整体院は、そのような商売の仕方に問題意識を持ち、1回で結果を出すことにこだわっています。もちろん、1回の整体で効果があっても、体は元の悪い状態に戻ろうとするので、できることならば何度か通う方が好ましいとしていますが、そのビジョンが「通わせない整体」であることに同院の顧客目線に立った強いこだわりを感じさせます。

骨格を整える意義

 私は、院長の施術を受けながら、色々な話をしましたが「なるほど」と思わされたもう一つの話は、骨格を整える意義です。マッサージをして体を楽にしたり、トレーニングをして体を鍛えたりしても、骨格が歪んでいると効果が出にくいということです。

 例えば、建物であれば、その骨格となる基礎工事部分がしっかりしているから、良い建物が建設できるわけで、その基礎工事部分が傾いていたとすると、その上に建設される建物のスペックやデザインがどれだけ素晴らしいものであったとしても、建物は傾いているわけで、住み心地は良くないものとなるのは自明の理です。

事業における骨格とは

 事業における骨格は「誰に、何を、どのように提供するのか」というドメイン(事業領域)です。例えば、ある整体院のドメインが「地域住民に、痛みのない生活を、整体技術で提供する」だと他の整体院との違いが分かりません。よって、このドメインの元、技術を磨き、広告宣伝を行っても大きな成果があがる可能性は高くありません。

 しかし、こちらのコラムで紹介したように、「部活動で腰痛に苦しむ中高生に、思い切り動ける体になることを、自身の忸怩たる経験を共有しながらこれまで培ってきた整体技術を用いて提供する」というドメインだと、ターゲットはしっかり絞り込まれ、そのターゲットのニーズを満たすべく、明確な差別的優位性のもとで事業展開を行うことが可能となり、大きな成果があがる可能性が高まります。

 整体院が事業を拡大するには、顧客の骨格の歪みをとるだけでなく、自院の骨格となるドメインを明確なものとすることが重要と言えるでしょう。

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