持続化補助金<低感染リスク型>に採択された燃料販売店の計画書の書き方事例①

小規模事業者持続化補助金

 同社は、ガソリン・プロパンガスの販売を主たる事業としています。新型コロナウイルス感染症拡大の影響により、外出を控える方が増加して車の利用頻度が減ったことから、ガソリンなど車の燃料販売が落ち込むようになり、売上が激減してしまいました。

 そこで、プロパンガス事業において非対面による業務効率化を図ることとし、2021年11月10日締切りの小規模事業者持続化補助金<低感染リスク型ビジネス枠>第4回受付締切分に申請した結果、採択という結果を得ることができました。

 この結果を受け、当コラムでは同社が作成した「【様式1】経営計画および補助事業計画」の内容をもとに、採択を引き寄せたと考えられるポイントを4回に分けて探っていきます。

 下図は、当補助金申請時に提出する「【様式1】経営計画および補助事業計画」の構成ですが、今回のコラムでは、下図の赤枠部分<経営計画>「1.自社の事業概要」の書き方を見ていきます。なお、当コラムの内容は2022年1月9日時点の情報に基づいています。

1. 持続化補助金<低感染リスク型>に採択された燃料販売店の計画書の書き方事例[自社の事業概要編]

持続化補助金<低感染リスク型>に採択された燃料販売店の計画書の書き方事例[自社の事業概要編](1)広い説明スペースを確保する

 当補助金を申請するには、前述の「【様式1】経営計画および補助事業計画」を作成する必要がありますが、この計画書フォーマットは小規模事業者持続化補助金<低感染リスク型ビジネス枠>のホームページからダウンロードすることができます。

 このフォーマットを見ると、冒頭に【作成にあたっての注意事項】として5行にわたる記載があり、そこには以下の記述があります。

 <経営計画>及び<補助事業計画>は、合計最大5枚までとしてください。

 このように定められた枚数の中で、自社が作成した計画書の内容を理解していただく必要があります。また、各欄には黄色いマーカーで強調された但し書きがあります。そして、【作成にあたっての注意事項】には以下の記載があります。

 「本注意事項」、下記の「<経営計画>及び<補助事業計画>内の黄色塗りつぶしの文書」については、申請時に削除して構いません。

 この「本注意事項」と「黄色塗りつぶしの文書」の文字数を合計すると、約600文字になります。不採択になった計画書は、これらを削除しないケースが多い印象がありますが、同社はこれらを削除することで、定められた5枚の計画書の中で600文字分の説明を盛り込むスペースを確保しており、このことが採択を引き寄せた要因のひとつと考えられます。

 なお、個人的には計画書フォーマットの最後にある※印のついた6行も削除して構わないと思っています。

持続化補助金<低感染リスク型>に採択された燃料販売店の計画書の書き方事例[自社の事業概要編](2)求められていることを漏れなく記載する

 同社は当欄に以下の見出しを設け、その見出しに応じた内容を記載していました。

 【自社概要と提供する商品・サービス】、【経営状況】、【市場動向と顧客ニーズ】、【特徴と課題】、【経営方針と目標】

 当欄における前述の黄色いマーカーがひかれた但し書きは以下となっていることから、同社はこれを強く意識して見出しを設けたことが想定されます。

 ※自社の概要や経営状況、課題、特徴、自らが製造・販売・提供している商品・サービスの内容や市場動向等について記載してください。また、自社の経営方針・目標等についても記載してください。

 そもそも、なぜ但し書きがあるのかというと、但し書きの内容を読み手が知りたいためであることが想定され、それを漏れなく記載することは、読み手の期待に応えられることになります。よって、但し書きに沿って見出しを設け、漏れなく内容を記載したことも、同社が採択を引き寄せた要因のひとつと考えられます。

持続化補助金<低感染リスク型>に採択された燃料販売店の計画書の書き方事例[自社の事業概要編](3) 経営計画と補助事業計画の関連を意識する

 同社は自社が抱える経営課題として「人口減による同社の働き手不足という状況にいかに対応するか」や「ポストコロナに対応した事業をいかに展開するか」を記載しておりました。また、経営方針として「新型コロナウイルス感染症対策に取組む」ということを記載しておりました。

 同社の補助事業は、この経営課題を解決するものであり、また、経営方針に則ったものでした。不採択事例には、この整合性がなかったり、経営計画の内容が補助事業計画の内容になっていたりするケースが少なくありません。同社はこのような罠に陥らず、経営計画と補助事業計画の整合性をとっていた点も採択を引き寄せた要因のひとつと考えられます。

持続化補助金<低感染リスク型>に採択された燃料販売店の計画書の書き方事例[自社の事業概要編](4)ビジュアルに訴求する

 同社は外部環境の説明として、前述のとおり【市場動向と顧客ニーズ】という見出しを設け、その中の「市場動向」の内容として商圏人口・世帯数・世帯人員の推移を記載しておりました。そして、この内容を文章だけでなくグラフも用いて説明をしていました。

 文章だけの説明は、読み手が飽きてしまい、集中力が削がれ、結果として計画書の理解が進まないリスクがあります。同社は、グラフなどを用いてビジュアルに訴求することで、このようなリスクを低減させたことも、採択を引き寄せた要因のひとつと考えられます。

 今回のコラムでは、小規模事業者持続化補助金<低感染リスク型ビジネス枠>に採択された同社が記載した<経営計画>「1.自社の事業概要」から、採択のポイントとして(1)広い説明スペースを確保する、(2)求められていることを漏れなく記載する、(3)経営計画と補助事業計画の関連を意識する、(4)ビジュアルに訴求する、を述べました。

 次回のコラムは今回に引き続き、<経営計画>「2.新型コロナウイルス感染症の影響・既に取り組んでいる対策」の採択ポイントを見ていきます。

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