油外商品の販売で苦労しているガソリンスタンドに共通する特徴

戦略の考え方

油外商品の売り方が解らない

 そのガソリンスタンドでアルバイトをするようになってから1か月が経過したアルバイトスタッフは悩みを抱えていました。それは、「店長や社員から、ガラスコーティングを販売するように言われたのですが、どのように売れば良いのか解らない」というものでした。

 恐らく、店長や社員は、このアルバイトスタッフに対して、ガラスコーティングの作業方法は教えたのだと思います。ですが、販売方法については、スタッフに丸投げしています。つまり、受注後のアクションは教えていても、受注するためのアクションを教えていないわけです。

個人の資質に頼った販売がもたらすもの

 受注するためのアクションを本人に丸投げするということは、売り方は個人の資質に依存することになります。このようなケースは非常に多い印象を持っていますが、個人の資質に頼った油外販売をしていると、売れるスタッフと売れないスタッフの業績に大きな差がついてきます。
 そして、売れないスタッフへの風当たりが強くなり、「なんで自分ばかり責められるのだろう」という思いを持つようになり、退職する可能性が高まります。

 売れないスタッフが退職すると、人が減りますから、その分、売れるスタッフが働かなければなりません。人員の補充・育成がおぼつかず、その状態が続くと「もうやってられません」と思うようになり、売れるスタッフも退職する可能性が高まります。

具体的な行動を示す

 このような負のスパイラルに陥らないようにするには、具体的な行動を示さなければいけません。

 野球でバッティングを教える優秀なコーチは、「球をよく見て打ちなさい」などとは言いません。「ボールの縫い目がどっちの方向に回転していたか教えてくれ」と言って、球をよく見させます。
 字をきれいに書かせるには、「丁寧に書きなさい」ではなく、「止め、跳ね、払いを意識してください」と言った方がきれいな字を書けるようになりやすいはずです。

 油外商品の販売を促進させたいのであれば、どのタイミングで、どのような声掛けをしたらいいのか、具体的な行動を示すことが必要です。また、その際に想定される顧客との問答をQ&A想定集として準備しておく必要があるでしょう。
 なお、このQ&A想定集は、日々最前線で働き、一定の経験を積んだアルバイトスタッフ数名に作ってもらったり、意見を募ったりすると、油外商品の販売に対する意識を高揚させることにも繋がるでしょう。

 以上より、油外商品の販売で苦労しているガソリンスタンドに共通する特徴として挙げられるのは、店長がスタッフに具体的な行動を示さないことであると言えるでしょう。そして、経営者としては、店長がどのような指示を出しているのか、定期的にヒアリングなどで把握し、対処をしていく必要があるでしょう。

油外商品の販売に関する参考コラム

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