この記事では、元ガソリンスタンド店長の経験をもとに、モチベーション理論を用いて、年上の部下のやる気を引き出すためのコツを紹介します。
この記事では、以下の方々を対象にしています。
- ガソリンスタンドで年上の部下を持つ上司
- ガソリンスタンドの業績を上げたい経営者の他、商工会・商工会議所の経営指導員、経営コンサルタント
- 中小企業診断士試験の受験勉強中で、実務を通じて知識の理解を深めたい方
- 部下のモチベーションの上げ方を知りたい方、です。
この記事を読むと、以下のことが分かります。
- 年上の部下のモチベーションに影響する要因とは何か
- 年上の部下との信頼関係を築くためのポイントとは何か
- 年上の部下のモチベーションを上げるための具体的な事例
では、本題に入っていきます。
■労働力の高齢化がもたらす課題
総務省統計局の調査によると、2022年の高齢者の就業者(65歳以上の人口に占める就業者の割合)は25.2%で、10年連続で上昇しています。
このように、労働力の高齢化が進展することは、社会や経済に良い影響を及ぼすことが期待できますが、ガソリンスタンドの店長を務めていた頃の私のように、年上の部下との接し方に悩む上司も増えているでしょう。
年上の部下は、知識や経験が豊富で自分の考えを持っている場合が多いので、時には上司との関係に問題を起こしたり、職場の雰囲気に悪影響を及ぼすこともあります。
そんな年上の部下のモチベーションを高めることは、上記の課題を解決するだけでなく、より有効な戦力となることが期待できます。今回の記事では、アメリカの臨床心理学者ハーズバーグ氏が提唱した「動機付け=衛生理論」というモデルを用いて、ベテランスタッフのやる気を引き出すための具体的なガソリンスタンドの事例やコツを紹介します。
■動機付け=衛生理論とは?
「動機付け=衛生理論」では、人のモチベーションは「プラスマイナスゼロ」からスタートします。そして、仕事に満足感を得ると、モチベーションが上がり、行動が積極的になります。逆に、仕事に不満足感を得ると、モチベーションが下がり、行動が消極的になるとしています。
そして、充足すると仕事で満足感を得る要因を「動機付け要因」と呼び、承認、責任、達成感、仕事そのもの、昇進などが該当します。また、充足しないと不満足感を得る要因を「衛生要因」と呼び、会社の方針、上司の監督、給与、人間関係、労働条件などが該当します。
この理論によると、モチベーションを向上させるには、動機付け要因を満たすことが重要です。衛生要因を満たしても、モチベーションのマイナス幅が縮小しますが、プラスにはならず、実証研究でも、衛生要因の改善はモチベーションの向上には効果が薄いことが示されています(下図参照)。
衛生要因のひとつである「給与」を例にあげると、本人は、給与は高い方がいいと思っていたとしても、それを10倍にするなど、本人の能力や業界の水準を考えると、却って不安になるだけでしょう。同様に、人間関係を改善しても「改善して良かった」と思うだけで、「もっと改善しなくては」と思うことはないでしょう。
つまり、衛生要因には心理的な上限があるので、改善してもモチベーションがプラスの領域には及ばないということです。
一方、動機付け要因には上限がありません。「もっと認められたい」「もっと達成感を得たい」「もっと大きな仕事を任されたい」と思うものです。よって、動機付け要因を満たすことで、モチベーションは上限なく大きくなっていくことが期待しやすいと言えます。
タイヤ販売に力を入れている、あるガソリンスタンドでは、ベテランスタッフの動機付け要因を満たすために以下のような取り組みを行い、モチベーションを高め、業績拡大につなげました。
■ベテランスタッフの動機付け要因を満たしたガソリンスタンドの事例
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