エンジンルームの点検がガソリンスタンドの利益を低下させる理由

戦略の考え方

ガソリンスタンドが行う洗車時のエンジンルーム点検

 ガソリンスタンドに洗車を依頼すると、洗車後の車体に残った水滴の拭上げや、車内の清掃などをする仕上げ時に、エンジンルームの点検を行う店舗があります。

 そのような店舗には、店内の告知物に、洗車と点検がセットになっていると示しているケースがあります。セットというのは、ハンバーガーとポテトとドリンクのように、それぞれが単価設定をされており、それらをまとめて買うと、それぞれを単品注文するよりも低価格になるというものではないでしょうか。
 エンジンルームの点検に価格設定をしていないガソリンスタンドが洗車と点検をセットにするのは、どうも違和感を覚えます。

 また、エンジンルームの点検を「安全点検」と称して、洗車をして下さったお客様の安全のため、という大義名分を打ち出したりしているケースもあります。お客様の安全のため、であるのならば、なぜエンジンルームの点検の他にタイヤの空気圧点検をしないのか、という疑問が湧きます。
 タイヤの溝がすり減っていないと、タイヤ交換を勧めることができないので、タイヤの空気圧点検はしない、という意図が透けて見えるわけです。

顧客は点検を求めていないのか

 これらの点検に共通するのは、顧客に対して、車両点検を希望するか否かの確認を一切していないということ、そして、エンジンルーム内の商品を必ず勧めてくることです。

 多くの顧客は、ガソリンスタンドのスタッフよりは、車に関する知識がないはずですので、安心して車を運転するべく、点検をして欲しいと思っているはずです。ところが、何を売りつけられるか分からないという不安から点検をお断りします。
 ガソリンスタンドはそれを分かっているので、洗車で車をお預かりしたら、顧客に無断で点検をするわけです。

 そこで、そのような商道徳を考えるガソリンスタンドは、顧客にエンジンルームの点検を希望するか否か、確認をします。ですが、ほとんどの顧客が、点検結果に基づく売り込みを恐れて点検をお断りしますので、油外商品の販売に結びつかないケースがほとんどです。

顧客からの信用を回復させる

 かつてのエステティックサロンは、ガソリンスタンドのエンジンルーム点検と似たようなことをしており、問題になったことがあります。施術終了後に高額な美容液や、長期間にわたるチケットなどを複数のスタッフが勧めてきて、買うまで帰れない雰囲気を作り出した事例です。

 これにより、エステ業界のイメージは大きく毀損されました。現在、様々なエステティックサロンのホームページを拝見すると、「しつこいセールスはしません」「分かりやすい説明をします」といった趣旨が記載されているケースが非常に多く、だいぶイメージも改善されてきたように思います。

 ガソリンスタンドのエンジンルーム点検に関しても、そのような取組みが必要なのではないでしょうか。

 エンジンルームの点検がガソリンスタンドの利益を低下させる理由として挙げられることは、洗車を依頼するとエンジンルームの点検に基づく売り込みがあるため、洗車自体を依頼しない顧客が相当数存在するからなのではないでしょうか。
 セルフサービス式ガソリンスタンドのドライブスルー洗車やコイン洗車場が繁盛しているのを見るにつけ、このような考えが強くなっていくのです。

エンジンルームの点検に関する参考コラム

 ■雑談をきっかけに関係性を構築して油外商品を販売するには
 ■エンジンルームの点検を依頼したくなるガソリンスタンドとは
 ■儲かるガソリンスタンドが今日のパンよりも明日の糧を求める理由

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