儲からないと言っているガソリンスタンドがずっと儲からない理由

戦略の考え方

人は自分の使った言葉に影響を受ける

 「暇」「売上が良くない」「人がいない」「仕事がきつい」「休めない」、こんな言葉はガソリンスタンドで働く多くのスタッフが発しているであろう言葉です。
 場合によっては、店長や経営者もこの言葉を使います。ですが、そのような店舗の業績は上がらず、人材も充足されないものです。

 そんな状況を打破するために、以下の実験をみてみたいと思います。
 大学生をいくつかのチームに分けて、各チームにいくつかの単語群を示し、それらから短い文章を作ってもらうという実験をしました。

 ただし、ある1チームだけ、単語群に高齢者をイメージさせる「杖」「白髪」「忘れっぽい」「しわ」などの単語を混ぜました。

 その後、各チームメンバーを歩いて別の場所に移動させた際、単語群に高齢者をイメージさせる単語を混ぜたチームの学生は、そうでないチームの学生よりも明らかに歩くスピードが遅かった、という結果が出ました(ニューヨーク大学 ジョン・バルフの実験)。

 高齢者単語チームの学生は、接した言葉が歩くスピードに影響を与えました。このように、予め、ある事柄をインプットしておくことにより、それが別の事象に影響を与える効果をプライミング効果と言います。

 儲かるガソリンスタンドにするために、これをどのように活用できるのでしょうか。

言葉をいい加減に扱わない

 プライミング効果は、人は接した言葉にふさわしい自分になりやすい、ということを意味しています。よって、冒頭の「暇」「売上が良くない」「人がいない」「仕事がきつい」「休めない」などというネガティブな言葉を発し続けていく人は、そのような状況になるような行動をとるようになってきます。

 ガソリンスタンドでは、ガソリンや軽油といった燃料油以外に、タイヤやエンジンオイルといった油外商品を販売しており、燃料油よりも油外商品で収益を得ようとします。

 これは、燃料油での収益が不安定であることが一因なのですが、例えば、月間の油外収益の目標が300万円であり、当月の油外収益の実績が250万円だったとします。これを「目標未達だった」と表現するか「目標達成のためにやるべきことを考える機会となった」と表現するかで、その後の行動が変わってきます。

 弊社の支援先で、斜陽産業と呼ばれる業界で業績を伸ばし続けている会社があります。その経営者は、私に「オレは『持ってるから』大丈夫なんです」とよく言います。

 店の入り口にわざと紙幣を落としておいた場合に、「自分は運が良いと思う」と答えた人に入店させると紙幣に気付き、「自分は運が悪い」と答えた人に入店させるとそれに気付くことができなかったという実験結果があります(心理学者リチャード・ワイズマンの実験)。

 油外収益の目標が未達であるという事実を「今月もダメだった」という意味付けをすればそれまでですが、「大きな油外収益を得るための布石である」という意味付けをすれば、行動が変わり、その後の展開が変わる、ということです。

普段から自分が接する言葉に気を付ける

 人は、自分の発する言葉に接し、その言葉がセルフイメージを決めていきます。安易なネガティブ言葉は、自身のセルフイメージを下げてしまいます。

 特に、起床した後、その日最初に見る文字は、その日1日の感情に強く影響を与えると言います。以下の写真は、私のスマホの待ち受け画面です。私はスマホを目覚まし時計として使っているので、起床したらまず、スマホの待ち受け画面が目に飛び込んできます。

 この待ち受け画面2箇所に「今日も人の役に立つ」という文字を入れています。これは、プライミング効果を意識したものです。

 以上より、儲からないと言っているガソリンスタンドがずっと儲からない理由は、その店舗で働くスタッフは、それらのネガティブな言葉に影響を受けた行動をとるからである、と言えるでしょう。そして、そのことは、受け止め方を変え、発する言葉を変えることにより、打破することが可能なのです。

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