儲かる鮮魚店が行っているスーパーとの違いの打ち出し方

戦略の考え方

1.儲かる鮮魚店の取組み

(1)「モノ」ではなく「コト」を提供する

 業種と業態という言葉があります。業種は売るモノ・買うモノに着目した区分であり、魚屋、八百屋、油屋など、提供するモノに「屋」がつきます。これに対して業態は、売り方・買い方に着目した区分であり、スーパーマーケット、コンビニエンスストア、ドラッグストアなどが挙げられます。

 1950年代に日本で初めてスーパーマーケットという業態が登場しました。これは、セルフサービス、低価格、そこに行けば生活必需品が何でもそろうというワンストップサービスが特徴です。つまり、ゆっくり自分のペースで買うこと、安く買うこと、1か所で買い物を済ませること、という「コト」に着目しています。

 これに対して「モノ」に着目する業種店は、時代の流れとともに徐々に衰退してきました。これは、業種店よりも業態店が消費者ニーズを掴んだことを意味しています。そのような中、魚屋という業種店から、魚を通じた食を楽しんでいただくことを提供する業態店に転換した店舗があります。今回のコラムでは同店の取組みをご紹介していきます。

(2)4つの戦略を検討する

 マーケティングは「売れる仕組みを構築する」概念ですが、以下の4つの戦略はマーケティングを考える上で欠かせないものです。

  •  製品(Product)戦略:「何が」売れる仕組みを構築するのか
  •  価格(Price)戦略:「いくらで」売れる仕組みを構築するのか
  •  チャネル(Place)戦略:「どこで」売れる仕組みを構築するのか
  •  販売促進(Promotion)戦略:「効果的な」売れる仕組みをどのように構築するのか

 これらをマーケティングミックスといいますが、前述の鮮魚店におけるマーケティングミックスを以下でご紹介します。

(3)儲かる鮮魚店の具体的なマーケティングミックス

 ある地方都市にスーパーマーケットのすぐそばに立地している鮮魚店があります。この鮮魚店のマーケティングミックスは以下の通りです。

  •  製品(Product)戦略:店主のスキルを活かした刺身の盛り合わせ、鮮魚を使った総菜
  •  価格(Price)戦略:高価格路線
  •  チャネル(Place)戦略:駅前のスーパーマーケットのそばに立地する店頭
  •  販売促進(Promotion)戦略:ホームページ、刺身や総菜の写真をSNSへ投稿、割引券、新聞折込・店頭ハンドアウトチラシ

 特に、店主自ら他店へ修行をするために出向き、お刺身の盛り合わせを造るスキルを向上させていること、鮮魚を使ったイタリア料理やスペイン料理を総菜として提案販売していることが特徴です。これらを、長年の業歴に基づく人間関係とインターネットを活用した販売促進戦略により、鮮魚を通して食を楽しむ「コト」を提供しています。

 今回のコラムでは、儲かる鮮魚店が行っているスーパーとの違いの打ち出し方として、提供する「コト」を決めた上で、マーケティングミックスでスーパーとの違いをご紹介しました。大型店に規模では負けても、利益では負けないように、今回の事例をご参考に売れる仕組みをぜひ構築していただきたいと思います。

2.参考記事

 「モノ」を提供する店舗と「コト」を提供する店舗の違い

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