ガソリンスタンドがトイレを快適にするべき理由

経営の姿勢

 「不衛生」「昔からあるようなところは臭い」「綺麗じゃないイメージ」…商品開発やサービス改善を目的とした掲示板のミルトークに「ガソリンスタンドのトイレに対するイメージを教えてください。」という質問がありました。これに対するコメントが100個入っていますが、そのほとんどが冒頭のようなネガティブな内容でした。

 また、@niftyニュース何でも調査団の「外出中にトイレを借りたい施設は?」という質問では、16.6%の回答者が「ガソリンスタンド」と答えており、全体の10位にランクインしています。

 これらのことから、ガソリンスタンドのトイレは一般的に快適ではないので借りたくないが、借りざるを得ない人が多いという状況が見て取れます。

 これを短絡的に、快適ではないと言われるから快適にしなければならない、という話で片付けてしまっていては、そのガソリンスタンドは繁盛店にはなり得ないでしょう。今回のコラムでは、ガソリンスタンドがトイレを快適にするべき理由を見ていきます。

ハーズバーグの動機付け=衛生理論

 トイレの快適度合は、顧客の購買意欲に影響を与えます。

 何度かこのコラムでご紹介しているハーズバーグの動機付け=衛生理論は、人間のモチベーションが高まる仕組みを実証研究で明らかにしたものです。

 この理論は、職場の管理職が部下のモチベーションを向上させることを前提としている印象が強いのですが、部下も顧客も人間ですので、顧客の動機付け要因と衛生要因を満たすことにより、そのガソリンスタンドの商品に対する購買意欲を高めることが可能であり、下記に示す4つのポイントがあります。

 ①動機付け要因が満たされると積極的態度が強化され、モチベーションが上がる(図表内①)。
 ②動機付け要因が満たされないと積極的態度は強化されず、モチベーションは一定領域まで落ちる(図表内②)。
 ③衛生要因が満たされると消極的態度は強化されず、モチベーションは一定領域までは上がる(図表内③)。
 ④衛生要因が満たされないと消極的態度が強化され、モチベーションが落ちる(図表内④)。

 なお、動機付け要因とは、承認、責任、達成感、仕事そのもの、昇進などを指し、衛生要因とは、会社の方針、管理監督、給与、人間関係、作業環境などを指します。

トイレの快適性という衛生要因

 トイレの快適性が低いと言うことは、衛生要因が満たされていない上記④に該当し、顧客のモチベーション、つまり購買意欲はどんどん落ちていきます。

 トイレを借りたくてとりあえず10ℓの給油で立ち寄ったガソリンスタンドのトイレが、めまいがするくらい臭くて、汚くて、暑かったら、次回の来店は控えたくなるのが人情です。ましてや洗車やオイル交換などの油外商品を勧められても、顧客は清掃の行き届かない店舗で働くスタッフが行う作業の品質を疑ってしまうでしょうから、なかなか購買には至らないでしょう。

 これを改善し、トイレだけでも③の状態にした上で、動機付け要因を満たして①の状態にすることが、顧客の購買意欲の向上に繋がります。

承認という動機付け要因

 先に示したように、動機付け要因には「承認」があります。「○○さん、いつもありがとうございます」と名前を呼んだり、「前回はオイル交換をしていただき、ありがとうございました」と購買の事実を述べたりするなど、その顧客に興味を持っていることを示し、承認していくことが重要です。

 トイレの快適性という衛生要因をないがしろにして、動機付け要因ばかりを充足しても、顧客は「あそこのスタッフは感じが良いんだけどトイレがね…」となります。つまり、衛生要因は動機付け要因の土台になると言うことができ、店舗の清掃状況など顧客が置かれる環境の快適性は重要なポイントとなります。
 
 なお、商工会の管轄地域で事業を営み、正社員(フルタイマー)が5名以下の小規模な事業者で、トイレが古くて古くて改装の必要があるなら、現在公募中の小規模事業者持続化補助金を活用しても良いでしょう。

 ガソリンスタンドがトイレを快適にするべき理由は、顧客へ快適性を与えることを通じて、購買意欲を高めるためです。よって、経営者・管理職は顧客の衛生要因を確認し、快適性を高めるためのルールづくりや体制を整備する必要があります。

メルマガ会員様募集中

 メルマガ会員様には、リアル店舗の現場経験20年以上、コンサルティング歴10年以上【通算30年以上のノウハウ】を凝縮した【未公開のコラム】や、当サイトに掲載したコラムの【解説動画URL】を優先的に配信しています。
登録はこちらから
↓↓↓

ロードサイド経営研究所メールマガジン登録フォーム(無料)

電子書籍のご案内

 1年で70人のアルバイトに辞められたガソリンスタンド店長が人材に全く困らなくなった理由:育成編~人材が育つ職場と人材に見放される職場の境界線~
2020年3月15日発行 定価1,055円

タイトルとURLをコピーしました