儲かるギフトショップが取り扱う差別化された商品とは

戦略の考え方

還暦用のプレゼント

 繁盛店は、顧客の立場に立つことができます。つまり当事者意識があり、顧客目線で考えることができる、ということです。まさしくこの視点で売上を拡大させているギフトショップがあります。

 もともとそのギフトショップでは、60歳の還暦を迎えた方へのプレゼントとして、赤いちゃんちゃんこはもう古い、ということで赤いTシャツを提供していました。そのTシャツは、年齢を表す60という背番号と、その上には贈られる方のファーストネームがローマ字で印字されています。
 これを行うためにTシャツに印字できる機械を調達し、顧客から注文を受けてから店内で印字して制作していました。

贈るTシャツの付加価値を高める

 このギフトショップの経営者は、誕生日プレゼントという共通項から、この商品を子どもの誕生日を祝う親向けに展開できないか、と考えました。
 1歳の誕生日なら背番号1です。そしてファーストネームが背番号の上に入ります。このTシャツの付加価値をさらに高められないかと検討されました。

 名前は親が子どもに贈る最初のプレゼントだといわれます。当然、その名前には親が込めた想いがあります。
 例えば「歩(あゆみ)」という名前の子どもがいたとします。その名前に込めた親の想いが「一歩一歩自分の足で人生を歩いてほしい」というものだったとします。この文章にした想いをネットの翻訳機能を活用して英文にすると以下になります。
 「I want to walk one step at a life on my feet」

 別の例として「春翔(はると)」という名前に込めた親の想いが「春の気候のようにポカポカあたたかい心をもった人になって大きく飛翔してほしい」というものだったとします。この文章は以下の英文に翻訳されます。
 「I want you to become a person with a warm heart warm like the climate of spring and to fly greatly」

 この英文を贈るTシャツの前面に印刷します。背番号とファーストネームだけでも贈られる人にとってのオリジナルなギフトになりますが、名前に込めた親の想いを英文で印字することによりさらに付加価値を高めました。

当事者意識が付加価値を高める

 この事例で着目したいのは、なぜそのようなアイデアが出たのか、ということです。ギフトショップの経営者が、贈られる側として当事者意識を持つと、60歳の誕生日を迎えた際に、赤いちゃんちゃんこを贈られるのはオシャレではない、たぶん嫌だろう、ということに当然、行き当たるわけです。
 そして、子どもへ誕生日プレゼントを贈る親として当事者意識を持つと、親は誰しも子どもの名前に想いを込めている、ということに気付きます。

 他人事で考えていては、顧客ニーズに気付くことはできません。そして、この取り組み自体は、ギフトショップだけでなく、誕生日プレゼントを扱う異業種でも活用できる取り組みと言えるでしょう。

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