小規模事業者持続化補助金で広告宣伝力を強化した整体院の事例②

小規模事業者持続化補助金

 一般論ではなく自店に対する顧客ニーズをQCDの観点から検証し、正しく外部環境を認識することにより、小規模事業者持続化補助金に採択される可能性が高まります。

小規模事業者持続化補助金「整体院」採択のポイント

 小規模事業者持続化補助金を活用して、ホームページ・店頭看板の作成費用を調達するために、ある整体院の経営者が作成した計画書を採択レベルにブラッシュアップしていったプロセスをご紹介していきます。

 今回は、下図の赤枠部分、様式2-1<経営計画>内の「2.顧客ニーズと市場の動向」を見ていきます。

事前に書かれてきた内容を整理する

 事前に書かれてきた内容を拝見すると【顧客ニーズ】【市場の動向】と見出しがあり、内容が分けられている点は良いと思いました。それを整理すると概ね以下の内容となりました。

 【顧客ニーズ】

 ①若い顧客は、仕事の疲れを取りたいなどの理由により施術院を訪問する。

 ②当院の顧客は、高齢層が多く自らの健康維持のため定期的に訪れている方が多い。

 ③当院の顧客は、施術だけでなく会話を楽しむために訪れているケースも多い。

 ④当院の顧客は、痛みが出てからではなく、身体不調の予防を目的に来店される方も多い。

 【市場動向】

 ①市内では競合店が数多く新規開店しているが、ほとんどが低価格を特徴とし、1年もたずに閉店してしまっている。

 ②これらの店舗の多くは、値段の安さや便利さを求めて店舗を選択する30~50代をターゲットにしている。

 ③当院は、設立当初から60代以上をメインターゲットに施術を提供しており、競合店が出店した場合も、売上にはほとんど影響がない。

 このように整理した上で、その内容をブラッシュアップしていきます。

自店に対する顧客ニーズを書く

 まず、【顧客ニーズ】ですが、①に関しては一般の若い顧客が持つニーズであり、②~④は同院の顧客が持つニーズと読むことが可能です。同院は若い顧客をターゲットにしておらず、今後もその方針で運営していくことを考えると①の記述は一般論であり、記載は不要と考えられます。

顧客ニーズの切り口を明確にする

 顧客ニーズを考える際に意識したい観点としてQCDが挙げられます。これは、ビジネスで重要な要素を挙げた標語で「Quality (品質)」、「Cost(費用、価格)」、「Delivery(納期)」の頭文字を繋いだものです。

 そして、上述②~④の顧客ニーズは「Quality (品質)」を求めるニーズであり、それ以外の「Cost(費用、価格)」、「Delivery(納期)」についても検討する必要があります。

 「Cost(費用、価格)」であれば、どの程度の価格帯のメニューが売れ筋なのか、つまりどの程度の価格に対するニーズが多いのか、といった観点から検討すると良いでしょう。

 「Delivery(納期)」であれば、どの程度の施術時間のメニューが売れ筋なのか、これも価格同様、どの程度の施術時間に対するニーズが多いのか、といった観点や、顧客が許容出来る待ち時間やその時間の過ごし方に関するニーズなども盛り込むと良いでしょう。

競う相手を間違っていないか検討する

 同院では【市場の動向】に関して、競合先の動向を記載していますが、その競合先は本当に自院が競うべき相手なのかを検討する必要があります。

 ボクシングは体重で階級が決まっており、ヘビー級の選手はヘビー級の選手と、バンタム級の選手はバンタム級の選手と競い合います。当然のことながら、同じボクサーであってもヘビー級の選手とバンタム級の選手は競い合うことはないでしょう。

 これと同じ話で、同じ整体院であっても、ターゲットや特徴が違っていたら競い合う必要は無く、動向を掴むことも重要性は高くありません。よって、【市場の動向】に示された①②は記載する重要性も高くないことになります。

 反面、整体院でなくても、同院のように小規模事業者であり、60代以上の世代に対して、施術により健康を提供する業態は、競合として動向を記載する必要があります。

マクロ環境とミクロ環境からアプローチする

 ここまで見てきた、顧客のことや競合のことは同院に直接関わる環境であり、ミクロ環境と呼ばれます。そして、このミクロ環境を取り囲む外部環境がマクロ環境です。この具体例としては、人口の推移、法律の改正、経済動向などが挙げられます。

 特に商圏人口の推移は自治体のホームページから拾うことが可能ですので、盛り込んでおくと中長期的な視点での経営に役立つでしょう。

 このようにして「2.顧客ニーズと市場の動向」をブラッシュアップしていきました。次回のコラムでは「3.自社や自社の提供する商品・サービスの強み」を見ていきます。

小規模事業者持続化補助金の申請書類作成をサポートします

メルマガ会員様募集中

 メルマガ会員様には、リアル店舗の現場経験20年以上、コンサルティング歴10年以上【通算30年以上のノウハウ】を凝縮した【未公開のコラム】や、当サイトに掲載したコラムの【解説動画URL】を優先的に配信しています。登録はこちらから↓↓↓

ロードサイド経営研究所メールマガジン登録フォーム(無料)

電子書籍のご案内(2020年7月8日発行 定価1,072円)

タイトルとURLをコピーしました