小規模事業者持続化補助金に採択!持帰り中華料理店の事例①

小規模事業者持続化補助金

 ある中華料理店が小規模事業者持続化補助金を活用して、テイクアウトを強化したいと考えました。そこで、当補助金に応募する際に提出する計画書(様式2と3)を作成しましたが、それをどのように採択レベルにブラッシュアップしたかをご紹介します。

「経営力向上計画」とは

 「経営力向上計画」という中小企業の支援策があります。これは事業計画を策定し、その内容について審査に通ると行政から認定され、税制や金融でメリットを受けられるというものです。多くの場合、商工会や商工会議所を通じて作成されているようです。

 そして、この「経営力向上計画」の認定を受けると、小規模事業者持続化補助金の審査で加点されることとなっています。同店は、この認定を得ていました。「経営力向上計画」の承認はとっておいて損するものではありませんので、締め切りまでに余裕のある方はこの認定を取得することをお勧めします。

記入例を意識する

 さて、同店が予め記載してきた様式2の<経営計画>「1.企業概要」を拝見すると、以下の内容を盛り込んだ一覧表が記載されていました。

 ・注文数の多い商品名
 ・その商品における1日の平均売上
 ・客単価の高い商品名
 ・1人あたり平均価格

 全国商工会連合会日本商工会議所が公表している記入例は、下図(クリックすると拡大します)となっています。

 必ずしもこの表を盛り込まなければならないわけではありませんが、記入例としてこのような表を用いているということは、この様式に合わせたほうが安心です。もともと単品管理はできているようでしたので、記入例に従って作成のし直しをお願いしました。

整理整頓を意識する

 また、この「1.企業概要」には、食材の写真が盛り込まれていましたが、食材に関連してリサイクルに関する取組みが書かれていました。ですが、これは同店の強みですので、後ほど見ていく「3.自社や自社の提供する商品・サービスの強み」に盛り込むべき内容です。

 自店のことを紹介しているうちに、それに関連して色々不要なことを書いてしまい、伝えたいことが却って分かりにくくなってしまうだけでなく、必要なことが書いてあっても、書くべきところに書くべきことが書かれていない、というケースはとても多いです。

 つまり、不要な内容は捨てるという【整理】、必要な内容の置き場所を決めるという【整頓】が必要です。色々思うままに書いたとしても最終的には【整理】【整頓】を意識したいところです。

言葉を深掘りする

 次に「2.顧客ニーズと市場の動向」を見ていきます。【顧客ニーズ】として書かれていた内容は以下のものでした。

 ①本格中華の味を気軽に楽しみたい。   
 ②子連れでも気兼ねなく来店したい。
 ③「早い・安い・美味い」を望んでいる。
 ④コストパフォーマンスに優れた店を望んでいる。
 ⑤接客サービスに優れた店を望んでいる。

 これらは、同店に対してではなく、あらゆる店舗に対する顧客のニーズと言えます。大事なのは同店が、同店に対する顧客ニーズを把握しているか、ということです。それに応えなければ事業の拡大は見込みにくいからです。
 
 よって、言葉を深掘りする必要があります。例えば①に「気軽」というキーワードがあります。これは価格なのか雰囲気なのか店構えなのか、より具体化する必要があるということです。これにより「外から店内の様子が見えることで、安心して入店したいというニーズがある」などといった、より具体性のある記述が可能となります。

 ニーズが具体的ということは、ニーズに応える行動も具体的になるでしょう。それは顧客の支持に繋がります。

 また【市場の動向】では、一般社団法人日本惣菜協会惣菜白書の統計データを用いて、中食市場の拡大、つまりテイクアウト需要が旺盛であることを述べており、申し分ありませんでした。

 今回のコラムでは、審査時の加点要素となる「経営力向上計画」、整理・整頓、顧客ニーズの見出し方について述べました。次回は「3.自社や自社の提供する商品・サービスの強み」を見ていきます。

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