持続化補助金でコロナに立ち向かう自動車整備工場の事例④

小規模事業者持続化補助金

 その自動車整備工場は、観光地に近い場所に立地しており、出先で事故や車両トラブルに見舞われたドライバーからの連絡を受け、レッカー移動や修理などを実施するロードサービスを大きな収益源としていました。

 ところが、新型コロナウイルスの影響による外出自粛が、ロードサービスの依頼を激減させ、売上が大きく低下してしまいました。そこで、小規模事業者持続化補助金を活用し、インターネットで自社の訴求力を高めようと考え、結果として当該補助金に採択されました。

 その際、どのように計画書を作成したかをご紹介していく当シリーズ、第4回目の今回は、様式2-1<経営計画>「4.経営方針・目標と今後のプラン」の書き方について見て行きます。なお、当コラムの内容は2020年9月9日現在の情報に基づいています。

1.小規模事業者持続化補助金<一般型>応募の全体像

 まずは、全体像を把握します。事業者が単独で小規模事業者持続化補助金に応募する際は、原則として以下の書類を作成し、締め切り日までに送付する必要があります。

 様式1-1 小規模事業者持続化補助金事業<一般型>に係る申請書
 様式2-1 経営計画書兼補助事業計画書①
 様式3-1 補助事業計画書②
 様式4 事業支援計画書
 様式5 補助金交付申請書

 このうち、様式2-1と様式3-1が採択に大きな影響を及ぼします。

2.様式2-1 経営計画書兼補助事業計画書①の全体像

 今回は、様式2-1を見て行きますが、その構成は以下となっています。

 <応募者の概要>
 <経営計画>
 <補助事業計画>Ⅰ.補助事業の内容

3.<経営計画>の全体像

 今回は、様式2-1の<経営計画>を見て行きますが、その構成は以下となっています。

 1.企業概要
 2.顧客ニーズと市場の動向
 3.自社や自社の提供する商品・サービスの強み
 4.経営方針・目標と今後のプラン

4.「経営方針・目標と今後のプラン」の書き方

(1)内容を切り分ける

 当欄のタイトルは「経営方針・目標と今後のプラン」であり、3つのテーマが盛り込まれています。これを1つの文章でまとめようとすると、冗長性が高まり、読み手に伝わりにくくなります。そこで弊社では、「経営方針」、「目標」、「今後のプラン」と見出しを設け、切り分けて記載することをお勧めしています。

 見出しを設けることにより、その見出しに即した内容を書けば良いので、話が散乱しにくくなるというメリットが期待できます。

(2)「経営方針」は方向性であることを意識する

 「経営方針」として目標を書いたり、その背景を長々と書いたりするケースが見受けられるのですが、目標は「経営方針」とは別に見出しを設けていますし、その経営方針を定めるに至った背景は、これまでの「1.企業概要」、「2.顧客ニーズと市場の動向」、「3.自社や自社の提供する商品・サービスの強み」で把握できるように記載する必要があります。

 当事例では、以前から掲げているモットーを継続していくこと、また、主力事業のロードサービス事業をさらに太くしていく方針であることを述べました。

(3)定量的目標の記載は必須

 目標は、数字で表すことのできる定量的目標と、数字で表すことが困難な定性的目標がありますが、定量的目標は達成率が分かることから是非盛り込んでいただきたい目標です。

 「地域経済に貢献する」という目標よりも「3年後に売上高を○○円にする」という目標の方が具体的であり、目標達成の進捗も分かりますから、達成しやすくなります。

 さらに「3年後に売上高を○○円にする」のであれば、「2年後に売上高を◎◎円にする」、「1年後に売上高を●●円にする」と、最終目標の前段階、前々段階の目標を置くことも達成の可能性を高めるでしょう。

(4)可能なら「今後のプラン」に数値計画も盛り込む

 同社は「今後のプラン」として行動計画と数値計画を盛り込みました。行動計画は、今後3年間で、マーケティング、人事、投資の3項目で具体的に何を行うかを実施事項として縦軸に置き、横軸は時間軸とした計画表を作成し、いつ何を実施するのかが分かるようにしました。

 さらに、数値計画として、今後3年間の売上、売上原価、売上総利益、販管費、営業利益など計画上の損益計算書を記載しましたが、これは、同社が経営革新計画の承認を取得していたからこそできたと言えるでしょう。

 【参考コラム】経営革新計画の書き方1:経営革新計画とはhttps://www.roadsidekeiei.com/keieikakusinnkeikaku-kakikata1/

 経営革新計画に盛り込んだ、行動計画と数値計画を小規模事業者持続化補助金の応募に活用したわけですが、この経営革新計画の承認をとっておくと、多くの補助金や計画に使い回しができるので、活用をお勧めします。経営革新計画の作成・承認取得支援は弊社でも受け付けていますが、地元の商工会や商工会議所の活用もお勧めします。

 このようにして、様式2-1<経営計画>の「4.経営方針・目標と今後のプラン」を記載しましたが、次回は<補助事業計画>の「2.販路開拓等(生産性向上)の取組内容」を見て行きます。

5.当コラムの解説動画

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