小規模事業者持続化補助金に採択!持帰りフランス料理店の事例③

小規模事業者持続化補助金

 飲食店において、テイクアウトは始めようと思ったら始められますが、テイクアウトで収益を向上させるのは誰でもできるとは限りません。そして、この収益を向上させるために、広告宣伝が必要であれば、小規模事業者持続化補助金の活用という選択肢があります。

 当コラムでは、これを活用してテイクアウト事業を拡大させたフランス料理店の事例をご紹介します。

 補助金に採択されるには、採択されるレベルの計画書(様式2と3)の作成が必要です。同店が、小規模事業者持続化補助金に応募するために、当初作成した計画書をいかにして採択レベルにブラッシュアップしていったか、そのプロセスを見ていきます。

認識している強み

 今回は、前回の続きとなる「3.自社や自社の提供する商品・サービスの強み」を見ていきますが、予め同店が記載してきた内容は、以下のようになっていました。

 ①県内の個人店レベルでは取引のハードルが高いフランス・イタリア料理用の食材輸入商社との直接契約を締結している。
 ②これにより、都内や現地に行かずとも、当店で気軽に本物のフレンチを食べることができ、本物志向の顧客を唸らせている。
 ③地元有名ホテルでの勤務経験から、顔見知りやホテル利用者の来店があるほか、同ホテルから弁当の大口注文が入ることもある。

 同店が強みと認識しているこれらの内容を以下の手順で検討します。

強みの検証

 強みを洗い出す際は【だから何?】【それはなぜ?】を検討する必要があります。例えば、上記①に【だから何?】と問うた場合の答えが②になります。つまり、以下の形です。

 「①県内の個人店レベルでは取引のハードルが高いフランス・イタリア料理用の食材輸入商社との直接契約を締結している。」→【だから何?】→「②これにより、都内や現地に行かずとも、当店で気軽に本物のフレンチを食べることができ、本物志向の顧客を唸らせている。」

 また、上記②に【それはなぜ?】と問うた場合の答えが①になります。つまり、以下の形です。

 「②都内や現地に行かずとも、当店で気軽に本物のフレンチを食べることができ、本物志向の顧客を唸らせている。」→【それはなぜ?】→「①県内の個人店レベルでは取引のハードルが高いフランス・イタリア料理用の食材輸入商社との直接契約を締結しているから。」

 つまり、①と②はセットで考える必要があるということですが、さらに因果関係を検証します。

強みのさらなる検証

 上記では、①が原因、②が結果という関係でしたが、①が結果だと捉え、その要因を検討してみる必要もあります。つまり「①県内の個人店レベルでは取引のハードルが高いフランス・イタリア料理用の食材輸入商社との直接契約を締結している。」→【それはなぜ?】の答えを検討するということです。

 これにより、「③地元有名ホテルの勤務経験」により、①があることがわかりました。そして、①により②があるわけですから、「③地元有名ホテルの勤務経験」が強みの源泉となっていることになります。

 つまり、「③地元有名ホテルの勤務経験」は、①の商社との直接契約、②の本物志向、③後半の集客や大口注文の源泉となっており、列挙された3つの強みは、1つの強みによる3つの効果を述べた形になっていることが分かります。

 強みはもっとあるはずですので、これをさらに洗い出す必要があります。経営資源は「人」「物」「金」「情報」ですので、「2.顧客ニーズと市場の動向」で見た競合動向を踏まえ、それぞれの差別的優位性を以下の観点から検討します。

 「人」→代表の経歴の他に、代表やスタッフの仕事への姿勢やスキルなど
 「物」→店舗や設備、料理など
 「金」→内部留保や有利な借入条件
 「情報」→店舗が発信している情報やその媒体など

 まずは、これらを思いつくままに挙げていき【それはなぜ?】【だから何?】でまとめていくと良いでしょう。そして、ここまでの「1.企業概要」「2.顧客ニーズと市場の動向」「3.自社や自社の提供する商品・サービスの強み」という「現在のこと」を認識したら、次回見ていく「4.経営方針と目標・今後のプラン」に「今後のこと」を示していくこととなります。

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