これで安心!ホテルの忘れ物を防ぐ効果的な一言とは

戦略の考え方

 先日の日経新聞で訪日外国人の増加に伴い、ビジネスホテルに忘れ物が急増していることが報道されていました。忘れ物は、財布、食品、スマートフォン、土産品まで様々で、全国の宿泊施設の忘れ物だけで年間1千万個以上という試算もあります。

 そのような忘れ物が発生した場合、持ち主と連絡がつけば、その方が住む海外に着払いで発送しますが、そもそも海外では着払いに対応する運送業者は少なく、発送する際も中身や危険物の有無を確認することが必要です。化粧ポーチの中身など、送付する忘れ物1つでも申告が漏れると手続きは一からやり直しとなってしまいます。

 連絡が取れない場合は、一定期間を経て処分することとなりますが、処分後に持ち主から連絡が来たりすると「私の思い出の品、なんで捨てちゃったんですか!」などとトラブルの原因となります。

 このようなトラブルを防ぐには、忘れ物をさせないことです。今回のコラムでは、顧客の忘れ物を防ぐ方策について見ていきます。

チェックアウト時にスタッフが発した一言

 「お部屋で気になる点はありませんでしたか?」

 先日、出張先のビジネスホテルをチェックアウトし、ホテルのスタッフから領収書をいただきました。丁重なお礼の言葉の後、一拍を置いて発せられたのがこの一言です。しばし考えた私は「いえ、特になかったですよ」と言い、そのホテルを後にしました。

 ここで、なぜそのスタッフは「お部屋で気になる点はありませんでしたか?」と問うたのでしょうか。考えられるのは以下の2点です。
 1.部屋の感想を聞いて今後の改善点を掴み、顧客満足度を上げるため
 2.顧客に忘れ物がないかどうか再検討してもらうため

 私たちは「大丈夫ですか」と聞かれた場合、「大丈夫じゃないです」とは答えず、ほぼ反射的に「大丈夫です」と答えるものです。同様に「忘れ物はないですか」と聞かれると、ほぼ反射的に「ないです」と答えるものです。

 しかし、このホテルのスタッフが発した言葉は、顧客が宿泊し終えた部屋に、再度意識を向けさせることで忘れ物がないかどうか検討させる効果があります。そして、大事なことは、この考え方は、様々な業種での忘れ物対策に有効に機能するということです。例えば、以下が考えられます。

他業種での活用例

 例えば飲食店であれば、会計を済ませた顧客に「テーブルやお席で気になる点はありませんでしたか?」と聞いてみる。

 タクシーであれば、会計を済ませた顧客に「シートの座り心地などお席で気になる点はありませんでしたか?」と聞いてみる。

 カラオケボックスであれば、会計を済ませた顧客に「お部屋のテーブル、ソファーで気になる点はありませんでしたか?」と聞いてみる、といった活用法があるでしょう。

 さらに、この終わったことに意識を向けさせ、忘れ物を防止する方策は、次に示すように、社員教育の場などでの活用も可能です。

研修の質疑応答

 私は、企業研修に登壇した際、多くの研修講師と同様に質疑応答の時間を最後にとります。その際に「何か質問はありませんか?」と問いかけても質問が出ることはほとんどありません。

 これに対し、受講生数名でグループを作り、「今日の研修内容に対する質問をグループごとに最低1つ考えて下さい」というワークをやると、鳥肌が立つくらい的を射た良い質問が出る可能性が高まるのです。

 これも、終わったことに意識を向けさせ、研修内容をおさらいしていただくための方策です。つまり、研修内容を振り返っていただき、質問の忘れ物を探していただく、ということです。

 今回のコラムでは、ホテルの忘れ物を防ぐ効果的な一言として「お部屋で気になる点はありませんでしたか?」を挙げました。これにより、終わったことに再度意識が向くことになります。

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