人手不足を解決できないガソリンスタンドに共通する3つの特徴

人材確保

 「人がいない…」そのガソリンスタンド運営会社に勤務する店長いわく、業務量を考えると正社員もアルバイトスタッフも頭が痛くなるくらい不足しているとのこと。新聞折り込みやインターネットで人材を募集して1週間が経過しましたが、応募はゼロ。

 結果として店長が店頭業務に忙殺され、シフトや現金などの管理業務、人材育成、販売促進策の立案といったマネジメントができず、業績も下降気味となっています。ここ1カ月、店長は休みらしい休みもとることができておらず、疲れ果てた挙げ句、ネットで転職情報を収集しています。

 今回のコラムでは、このような人手不足を解決できないガソリンスタンドに共通する特徴を見ていくことで、その状況からどのように脱却するべきかを見ていきます。

1.人手不足を解決できないガソリンスタンドに共通する特徴

人手不足を解決できないガソリンスタンドに共通する特徴(1)どんな時でも外待機をしている

 気温40度に届きそうな酷暑の日、もしくは気温が氷点下になりそうな極寒の日、そのような日でも本社や店長の指示で、控室や待合室ではなく外でスタッフが立ったまま顧客を待っているガソリンスタンドがあります。

 確かに外で待機していると、入店車両への対応は迅速なものになりやすいことは理解できます。ですが、その迅速な対応をするスタッフが暑さ・寒さで疲弊し切っていたら、良い接客はできるのでしょうか。さらに酷暑・極寒の中、ただただ外で立っているスタッフを見て「あそこで働きたい」と思うアルバイト希望者はどれだけいるのでしょう。

 外待機を否定するつもりはありませんが、状況によっては中待機をさせて、スタッフの健康を守るという会社側の気配りが退職者を減少させ、人手不足解決の可能性を高めるのではないでしょうか。

人手不足を解決できないガソリンスタンドに共通する特徴(2)管理職が自身の仕事に誇りを持てていない

 「ガソリンスタンドの仕事は、肉体労働のくせに顧客に愛想よくしなければいけないからタチが悪い。最低の仕事だよ」あるガソリンスタンドの管理職が、自身の仕事をこのように説明したことがあります。

 退職者が多いガソリンスタンドが持つ特徴のひとつに、スタッフが自分の仕事に誇りを持つことができていないことが挙げられます。少しくらい給料が安くとも、少しくらい仕事がきつかろうとも、自分の仕事に誇りを持てていれば仕事は継続できるものです。

 では、なぜ現場のスタッフがそのように思えないのか。それは、その上司である管理職が、自分の仕事に誇りを持てていないことが影響していないでしょうか。自身の仕事は、自身が最低と思った時点で最低の仕事になります。他人がどれだけその仕事を最低の仕事と言っても、自身が最低と思っていなければ最低の仕事にはなり得ません。

 そもそも、何年も何年もそのガソリンスタンドが存続してきたということは、何年も何年もそのガソリンスタンドは顧客の役に立ってきたということです。管理職は、まずご自身が自身の仕事をどう認識しているのか、顧みる必要があるでしょう。

人手不足を解決できないガソリンスタンドに共通する特徴(3)教育に具体性がない

 今やガソリンスタンドは、オイルやタイヤなどのガソリン以外の商品、つまり油外商品を販売していかなければ経営は成り立ちにくいわけですが、経営者・管理職が売り方を教えず、作業の仕方だけを教えて「売れ」と檄を飛ばすケースが多い印象があります。

 売り方を教えず、作業の仕方だけを教えて「作業しろ」と言うなら分かりますが、売り方を教えず、作業の仕方だけを教えて「売れ」と言っているわけです。結果として個人がもともと持っている資質に販売業績が左右されることになります。もともと販売力が高いスタッフは、大きな業績を残しますが、そうではないスタッフは、小さな小さな業績しか残せません。

 そして、販売力の低いスタッフには、さらなる檄が飛ぶこととなり、だんだんと店内に居場所がなくなり、退職に繋がりやすくなります。

 このような事態を防ぐには、売り方を教えて個人の販売力を向上させる必要がありますが、その際は、When(いつ)、Who(誰が)、Where(どこで)、What(何を)、Why(なぜ)、How(どのように)、How many(どのくらい)、How much(いくら)の5W3Hを用いて、具体的に教えていく必要があります。

 例えば、
 When(いつ):フロントウインドウの運転席側の窓を拭いたら
 Who(誰が):拭いた人が
 Where(どこで):顧客の斜め前で
 What(何を):洗車を
 Why(なぜ):随分と汚れているから
 How(どのように):しっかり目を合わせ、口角を上げて
 How many(どのくらい):1回の声掛けで
 How much(いくら):800円から利用できることを
 伝えるようにする、と教えるということです。

 さらに、ここが重要なところですが、個人のスキルだけに依存するのではなく、売れる仕組みを作るという組織的な取組みも必要となってきます。以下のコラムを参考にしてください。

 【売れる仕組みに関する参考コラム】

 今回のコラムでは、人手不足を解決できないガソリンスタンドに共通する3つの特徴として、(1)どんな時でも外待機をしている、(2)管理職が自身の仕事に誇りを持てていない、3.教育に具体性がない、を挙げました。人材の質と量を確保するために、応募者を増やし退職者を減らすために、これらを意識し「人がいない…」と嘆く店長が少しでも減少することを祈っています。

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