持続化補助金に採択された不動産会社の計画書作成事例②

小規模事業者持続化補助金

 同社は、家族経営の不動産会社であり、賃貸・売買物件の紹介を主たる事業としていました。かつては、店頭や担当者からの情報を元に物件を探す顧客がほとんどでしたが、昨今は、予めスマートフォンで物件情報を検索し、その物件を見るために来店する顧客が多くなっており、同社はインターネットでの情報発信に注力する必要性を感じていました。

 そこで、同社は物件をユーチューブの動画、パノラマ画像、VR(Virtual Reality:仮想現実)で紹介できるホームページを立上げようと考えました。特にVRでの紹介はホームページの閲覧者が、あたかもその物件の内部にいるような状況で見たいところを見ることができるような仕組みであり、今回立ち上げるホームページの大きな特徴となっています。

 このホームページを立ち上げるにあたって、同社はその費用を小規模事業者持続化補助金で調達することとしました。そこで、同社における当補助金の計画書策定に関するご支援を弊社が行い、無事採択されたわけですが、採択される計画書を同社がどのように作成したのかをご紹介します。

 今回のコラムでは、下図の提出書類一覧表の赤枠部分、「様式2-1経営計画書兼補助事業計画書①」<経営計画>「2.顧客ニーズと市場の動向」を見ていきます。

1.「顧客ニーズと市場の動向」記入の仕方

(1) 補助事業で満たすことのできる顧客ニーズを記載する

 補助金の財源は税金ですので、補助金を交付される事業者は、その補助金を使って収益性を拡大し、さらなる納税額の増加が見込まれる必要があります。よって、そのような計画書を作成することがポイントとなりますが、顧客ニーズにマッチしない事業であっては、販売が促進されませんので、収益性が向上する可能性は高くないと判断されます。

 同社は前述の通り、ユーチューブの動画、パノラマ画像、VRで情報提供できるホームページを小規模事業者持続化補助金で立ち上げようとしていましたが、当欄には【顧客ニーズ】として、「そのホームページで満たすことのできる」顧客ニーズを中心に記載しました。

 続いて【市場動向】を見ていきます。

(2) 事業の公共性を意識する

 公のお金である補助金の交付を狙うには、事業の公共性を自覚し、訴求する必要があります。特に当欄の【市場の動向】で何を取り上げるかによって、自社の事業における公共性を意識しているか否かが分かります。

 同社の場合は【市場の動向】として、「空き家率・数の推移」を取り上げました。つまり、同社が物件の賃貸や購買を促すことは、地域の空き家率・数を低下させ、使われていない建物を減少させるという公共性を担っており、それを意識した事業展開を自覚していることを読み手に訴求したということです。

 とってつけたように、商圏人口や市場規模の推移を【市場の動向】として記載しても、補助金が交付される可能性はさほど高まらないことを意識する必要があります。

(3) ビジュアルに訴求する

 事業の公共性を訴求しても、読み手がその内容を理解してくれなければ意味がありません。そこで、【空き家率の推移】に関してはグラフを、【空き家数の推移】に関しては表を用いて、ビジュアルに訴求し、理解しやすくしました。

 ちなみに出典はしっかりと記載しておくことで説得力の向上が期待できます。今回の事例では、総務省と各地域自治体のホームページが出典元となりました。

(4) 競合動向を盛り込む

 市場の動向に関しては、さらに【競合動向】も盛り込みました。というのも、当欄の次に「3.自社や自社の提供する商品・サービスの強み」を記入する欄がありますが、強みは競合他社と比較して優れている経営資源ですので、競合他社の動向を把握する必要があるためです。そこで、競合他社の社名、住所、URL、特徴を一覧表にまとめ、当欄に盛り込みました。

 このようにして「2.顧客ニーズと市場の動向」を記載しましたが、次回は前述の通り、当欄の次に配置されている「3.自社や自社の提供する商品・サービスの強み」について見ていきます。

2.小規模事業者持続化補助金の申請書類作成をサポートします

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