持続化補助金【低感染リスク型ビジネス枠】に採択された和菓子店の事例①

小規模事業者持続化補助金

 同店は、和菓子の他に麺類なども提供していますが、売上の約2割を店内飲食が占めています。地域に愛されつつ長年営業してきましたが、新型コロナウイルス感染症の影響により、店内飲食をする方がほぼいなくなってしまい、業績が悪化してしまいました。

 そこで同店はネット通販を行うために、通販用ホームページを構築するとともに、通販に適した包装ができる機械を導入することにしました。そして、この費用の一部を小規模事業者持続化補助金【低感染リスク型ビジネス枠】で調達するために計画書を作成し、無事採択されました。

 当コラムでは、同店が作成した計画書の<経営計画>「1.自社の事業概要」欄に記載した内容から、採択された理由を検証し、採択の可能性を高める計画書の書き方を述べていきます。なお、当コラムの内容は2021年10月28日時点の情報に基づいています。

1.採択の可能性を高める「自社の事業概要」の書き方

(1)強みを記載する

 補助金は、今後の成長を目指す事業者の推進力を補助する目的があり、窮地に陥った事業者を救済するような目的は強くありません。よって、弱みの克服ではなく、強みの活用が求められていると言えます。そのためには、強みを認識していることが大前提なので、弊社ではそれを記載することが必要と考えています。

 小規模事業者持続化補助金【一般型】では、計画書フォーマット内に「自社や自社の提供する商品・サービスの強み」という欄がありますので、そこに強みを書くことになりますが、【低感染リスク型ビジネス枠】にはそのような欄はありません。

 そこで同店は、今回見ている<経営計画>「1.自社の事業概要」欄に製法、商品の特徴、業歴の長さといった同店の強みを盛り込んでおり、これが採択を引き寄せた要因のひとつとして考えられます。

(2)ビジュアルに訴求する

 補助金に採択されるには、計画書の内容を理解していただく必要がありますが、その内容を文章だけで訴求するよりも、写真や図表も活用することで、より理解が進む可能性が高まるでしょう。

 ただし、当補助金は計画書を5枚以内にまとめる必要があり、写真や図表を盛り込み過ぎると制限枚数をオーバーしがちです。同店は、商品と店頭の写真を合計で3点盛り込んで、計画書を5枚以内に収めるようにしていました。このようにビジュアルに訴求したことが採択を引き寄せた要因のひとつとして考えられます。

(3)今後の戦略を記載する

 応募の際のルールブックである公募要領の「審査の観点」欄を見ても、また、計画書フォーマット内の但し書きを見ても、今後どのような戦略で事業を推進していくのかという記載が求められていることが分かります。

 補助金の財源は税金ですから、補助金を交付するにはそれを有効活用して事業を大きくし、より多くの納税額が期待できる事業者が採択されるはずです。よって、今後の事業展開において妥当な戦略を持っている必要があります。同店は、経営方針と目標を記載して戦略を示していましたが、このような記載も採択を引き寄せた要因のひとつとして考えられます。

 今回のコラムでは、小規模事業者持続化補助金【低感染リスク型ビジネス枠】で採択された和菓子店の<経営計画>「1.自社の事業概要」から採択の可能性を向上させるポイントとして、 (1)強みを記載する、(2)ビジュアルに訴求する、(3)今後の戦略を記載する、を挙げました。

 次回のコラムはこれに続く「2.新型コロナウイルス感染症の影響・既に取り組んでいる対策」欄に同店は何をどのように書いたのか見ていきます。

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