持続化補助金【低感染リスク型ビジネス枠】に採択された和菓子店の事例②

小規模事業者持続化補助金

 同店は、和菓子の他に麺類なども提供していますが、売上の約2割を店内飲食が占めています。地域に愛されつつ長年営業してきましたが、新型コロナウイルス感染症の影響により、店内飲食をする方がほぼいなくなってしまい、業績が悪化してしまいました。

 そこで同店はネット通販用ホームページを構築するとともに、通販に適した包装ができる機械を導入することにしました。そして、この費用の一部を小規模事業者持続化補助金【低感染リスク型ビジネス枠】で調達するために、当補助金に応募するための計画書を作成し、無事採択されました。

 当コラムでは、同店が作成した計画書の<経営計画>「2.新型コロナウイルス感染症の影響・既に取り組んでいる対策」欄に記載した内容から、採択された理由を検証し、採択の可能性を高める計画書の書き方を述べていきます。なお、当コラムの内容は2021年10月29日時点の情報に基づいています。

1.採択の可能性を高める「新型コロナウイルス感染症の影響・既に取り組んでいる対策」の書き方

(1)「影響」と「対策」に切り分ける

 当欄のタイトルは「新型コロナウイルス感染症の影響・既に取り組んでいる対策」です。よって、影響と対策を述べるわけですが、これをまとめて述べようとすると、内容の冗長性が高まり、読み手に伝わりにくくなってしまうリスクが想定されます。

 同店は【新型コロナウイルス感染症の影響】【既に取り組んでいる対策】と見出しを設け、内容を切り分けて、読み手に伝わりやすく記載していた点が、採択を引き寄せたと考えられます。

(2)影響を定量的に記載する

 【新型コロナウイルス感染症の影響】は定量的に、つまり数値で述べることによって、その大きさを把握することが可能となります。100あったものが90になったという影響と、100あったものが1になったという影響では、どちらもネガティブな影響と言えますが、その大きさは異なることが分かります。

 同店は、コロナ前と後で売上がどう変化したのかを記載していました。具体的には、コロナ前として2019年における任意の3か月をピックアップし、各月の売上高を示しました。そして、2021年における同月の売上高を示し、コロナ禍の各月がどれくらい落ち込んでいるのかを訴求しました。このように、影響の大きさを訴求したことも採択を引き寄せた要因なのではないでしょうか。

(3)対策をビジュアルに訴求する

 【既に取り組んでいる対策】として同店は、宅配サービスの実施を記載しています。このような対策を説明する際に、同店が実際に使っているメニュー表や告知チラシを盛り込んでいました。このように、実際に取り組んでいる画像を盛り込むことは、内容にリアリティが加わり、説得力が向上することが期待でき、採択を引き寄せた要因のひとつと言えるでしょう。

 惜しむらくは、複数の写真を掲載したことで、スペースの都合上写真を小さくせざるを得ず、内容が確認しにくかったので、1枚の写真に絞って内容がはっきり分かる程度の大きさにするとより良かった印象があります。

 今回のコラムでは、小規模事業者持続化補助金【低感染リスク型ビジネス枠】で採択された和菓子店の<経営計画>「2.新型コロナウイルス感染症の影響・既に取り組んでいる対策」から採択の可能性を向上させるポイントとして、 (1)「影響」と「対策」に切り分ける、(2)影響を定量的に記載する、(3)対策をビジュアルに訴求する、を挙げました。

 次回のコラムはこれに続く<補助事業計画>「2.補助事業の内容」欄に同店は何をどのように書いたのか見ていきます。

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