小規模事業者持続化補助金【一般型】に採択された理容店の事例⑦

小規模事業者持続化補助金

 同店は、店主とその妻、長男で運営する理容店です。3年前に持続化補助金に採択されましたが、さらなる販路を開拓するべく、設備の入れ替えを行うことにしました。そして、この費用の一部を再度当補助金で調達するために計画書を作成し、無事採択されました。

 当コラムでは、同店が作成した計画書の内容から、採択された理由を検証し、採択の可能性を高める計画書の書き方を述べていきます。以下は、当補助金に応募する際に原則として作成しなければならない書類の一覧ですが、今回は小規模事業者持続化補助金【一般型】に採択された理容店の事例⑥に引き続き、赤枠部分「様式2-1 経営計画書兼補助事業計画書①」<補助事業計画>「4.補助事業の効果」を見ていきます。なお、当コラムの内容は2021年11月12日時点の情報に基づいています。


1.採択の可能性を高める「補助事業の効果」の書き方

(1)定量的効果を記載する

 同店は、今回の補助事業によって、どの程度売上と利益が増加する見込みなのか、具体的に数値を用いて記載をしておりました。

 単に売上や利益が上がると記載するよりも、具体的な数値を用いて記載することは、効果の大きさを訴求することができ、読み手に対する説得力の向上を見込むことが可能となります。このことは当店が採択を引き寄せた要因のひとつと考えられます。

(2)数値の根拠を記載する

 前述の定量的効果ですが、同店は補助事業を展開することによって、ヘアマニキュア・シェービング・ヘッドスパ・調髪のそれぞれについてどの程度売上や利益が向上するかを述べておりました。このようにメニューごとに売上や利益を記載することは、精密に効果を予測したことがうかがえ、説得力が高いと言えます。

 また、それぞれのメニューについて見込まれる客数と客単価も記載しておりました。売上は客数と客単価のかけ算で算出されますから、それらを記載するということは、売上の根拠を示したことになり、やはり説得力が高いと言えるでしょう。

(3)自店以外の効果を記載する

 ここまで述べてきた補助事業の効果は、自店が享受できる効果ですが、同店は高齢者や障害者の利便性が向上するという顧客や地域社会が享受できる効果も記載しておりました。

 「売り手よし」「買い手よし」「世間よし」という「三方よし」は近江商人が大事にした考え方と言われますが、補助事業の効果を自店だけでなく、顧客や地域社会の観点からも検討し、記載することは公的資金である補助金を使おうとする事業者として必要な姿勢と言えるでしょう。

 今回のコラムでは、小規模事業者持続化補助金【一般型】に採択された理容店の「様式2-1 経営計画書兼補助事業計画書①」<補助事業計画>「4.補助事業の効果」から採択の可能性を向上させるポイントとして(1)定量的効果を記載する、(2)数値の根拠を記載する、(3)自店以外の効果を記載する、を挙げました。

 同店が作成した計画書は、全体的に図表を効果的に使っている点や、記述が丁寧かつ細かい点が特徴と感じました。これから当補助金の採択を狙う方の参考になれば幸甚です。

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