低感染リスク型ビジネス枠で【不採択】だったダンス教室の事例⑤

小規模事業者持続化補助金

 同社は、ダンス教室の運営を主たる事業としていますが、新型コロナウイルスの影響により、対面接触のレッスンを避けたい生徒が退会・休会し、ダンス関連のイベントも中止が相次いだ結果、業績が厳しくなってしまいました。

 そこで、広告宣伝を強化するための費用を小規模事業者持続化補助金<低感染リスク型ビジネス枠>で調達するために、計画書を作成して応募しましたが、残念ながら不採択となってしまいました。

 当コラムでは、その計画書をもとになぜ不採択になってしまったのか、想定される理由を検証していますが、今回のコラムでは、低感染リスク型ビジネス枠で【不採択】だったダンス教室の事例④に引き続き<補助事業計画>「3.補助事業の効果」からその理由を見ていきます。

1.不採択の想定理由「補助事業の効果」編

(1)対面接触機会が増加してしまう

 同社が当欄に記載してきた内容には、ダンス教室の集客力向上という「補助事業の効果」が盛り込まれていました。ですが、当補助金の目的のひとつに「対面接触機会の減少」があり、ダンス教室に顧客を大量に集めることはこの目的に反することになってしまうため、採択の可能性が低下したと考えられます。

(2)定量的な効果が示されていない

 補助金の財源は税金であるため、補助金の使用による収益性の向上を通じた納税額の増加が期待されています。よって、単に「集客力が高まる」ではなく、「売上高●%アップを見込むことができる」や「税引後利益○○円増加という効果が期待できる」など効果を数値で示すことによって、読み手は効果の度合いを理解することができます。

 同社はこのような数値の記載がなかったため、効果の説得力が高くなかったことも採択の可能性を低くしてしまったと考えられるのではないでしょうか。

(3)文章がぶつ切りになっている

 「知名度が上がる。受講者が増える。業績が回復する。」といった文と文の繋がりが不明確な文章を読むと、読み手はリズムを崩してしまい、読みづらさを感じるため、理解が進みにくくなってしまいます。同社が書いた文章はこのようなぶつ切りの文章になっていました。

 このぶつ切りの文章は、読みにくいだけでなく、因果関係を訴求できていないという点において説得力が低い印象を与えます。要因と結果がどのように結びついているのかを意識した書き方が必要であったと考えられます。

 「知名度が上がることにより、受講者が増加し、これを通じて業績が回復する」といった形で文と文の繋がりを明確にして記載することが読み手の理解を促進させるでしょう。

 今回のコラムでは、小規模事業者持続化補助金<低感染リスク型ビジネス枠>で不採択だったダンス教室の計画書を題材に<補助事業計画>「3.補助事業の効果」から不採択の想定理由として、(1)対面接触機会が増加してしまう、(2)定量的な効果が示されていない、(3)文章がぶつ切りになっている、を挙げました。

 同社の場合、当補助金の目的をしっかり把握していなかったことが、計画書の内容に如実に表れており、このことが不採択の根本原因だった印象があります。補助金の目的に沿っていない事業計画は、どんなに上手く書いても採択は難しいことを意識する必要があるという事例でした。

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