経営革新計画の承認を取得した飲食店の事例③

経営革新計画

 経営革新計画の承認制度は、新規事業の計画(経営革新計画)を都道府県に審査していただき、一定レベルの計画であると認められると、都道府県知事の名前が入った承認書がいただけます。弊社ではこれを補助金応募やマスコミ対策で活用することをお勧めしています。

 今回のコラムは、その経営革新計画の承認を取得した居酒屋の事例です。女将さんとパートタイマー数名で運営するこぢんまりとしたその店舗は、新型コロナウイルスの影響で客足が落ちてしまいました。そこで、何とか業績を回復させたいという想いで経営革新計画の作成に取り組むこととし、弊社がそのご支援を行った結果、承認取得に至りました。

 以下は経営革新計画の構成ですが、今回のコラムでは「自社の外部環境」を書く際の留意点について述べていきます。

1.「自社の外部環境」の書き方

 外部環境として最低限取り上げたいのは、競合動向と顧客動向です。これをどのように記載していったかを以下で述べていきます。

(1)現時点での競合店を書く

 まず競合店として、その店舗がなくなると自店が繁盛することが見込まれる店舗を洗い出していただきました。もっとも大手資本の飲食店がなくなっても自店は繁盛するはずですが、大手資本の経営と小規模企業の経営は違いますので、同じ土俵で戦うことができないため、競合と見なすことはできません。

 そこで事業規模も勘案しながら競合店を洗い出していただきました。そして洗い出した競合店の店名、住所、URL、自店から見た特徴を一覧表にしていただきました。特に住所が分かれば当店から徒歩何分の距離にあるかも分かりますので、ネットで徒歩での移動時間も調べ、それも盛り込みました。

(2)新規事業の競合を書く

 同店の場合、代表が●●県出身であることから、当地の食材を入手できる強みがありました。よって今後、●●県の郷土料理を前面に出した事業展開を想定し、現在立地している埼玉県内で●●県の郷土料理を前面に出した飲食店をネットで調べました。

 そして、既存事業の競合動向と同様に、店名、住所、URL、自店から見た特徴を一覧表にしていただきましたが、そこから見えてきたのは、意外と●●県の郷土料理を提供する店舗は多く、●●県の郷土料理を提供する店舗の中で差別的優位性を図る必要があるということです。

 このことから、●●県の郷土料理を提供するだけでなく、代表の持つ介護職の経験を新規事業に活かすことで差別的優位性を構築する必要性を認識することができました。

 なお、経営革新計画は新規事業の計画ですが、事業者が悩むのは、何をもって新規事業というかという点です。そこで、競合店が実施していないことは新規性を有すると判断できるため、この競合動向を把握することは重要であると言えるでしょう。

(3)人口動向を書く

 同店は飲食店ですから、基本的に地域の顧客をターゲットとしています。そこで、地域の人口動向を把握することが必要ですが、この際に官民のいわゆるビッグデータを活用したサイトRESASを利用しました。

 これは、自治体毎の人口について、過去からこれまでの動向や今後の動向がグラフとして示されます。これを用いて同店が立地している自治体の人口動向を調べ、グラフを貼り付けるとともに、それに基づくコメントを盛り込みました。

 このようにして「自店の外部環境」を記載しましたが、当項目よりも前の項目の書き方については以下のリンクを参考にして下さい。なお、次回は「自社のビジョン」以降を見ていきます。

 経営革新計画の承認を取得した飲食店の事例①

 経営革新計画の承認を取得した飲食店の事例②

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