押し売りと思われたくない販売員が知っておくべき3つのこと

客単価向上

 「押し売りと思われたくないんです」あるエステティックサロンの経営者が言いました。この方は、顧客へ積極的に提案をしておらず、その理由を尋ねたところ、先の回答を発しました。

 インターネットの検索ワードを見てみると、「押し売り」というキーワードと一緒に検索されるのは、給湯器、呉服・着物、果物、ジュエリーなど様々な商品に及びますが、共通するのは、①単価の高いもの、②競争の激しい業界で取り扱っているもの、③需要が減少しつつある業界が取り扱っているもの、という印象があります。

 今回のコラムでは、そのような業界で働く販売員の方々が、押し売りすることなく、業績を上げるために知っておくべきことを見ていきます。

知っておくべきこと1:商品の魅力

 要らないものを売りつけられるから押し売りとなるわけですが、販売員がその商品を「要らないもの」と認識した上で売りつけると、より押し売り感が強くなります。つまり販売員が取り扱う商品に魅力を感じていないと、押し売りになりやすい、ということです。

 ある呉服店の経営者からご相談を受けたときのことです。その場に現われたこの経営者は洋服を着ていました。「普段、和服を着ることはあるのですか」と聞いたところ、「まず、ありませんな」とのことでした。

 和服を販売する店舗の経営者がなぜ和服を着ないのかと伺ったところ、明確な返答はいただけませんでしたが、自店で扱う商品が魅力的で、好きで好きでしょうがなかったら、自分でも着るでしょう。

 そのような場合、自分だけでなく、他の人にも商品の魅力を様々な角度から紹介したくなりますから、インターネットでの情報発信の頻度も高まります。インターネットを使用しない方にも情報を伝えたいのでチラシの新聞折込みもするでしょう。店頭のポスター、POPでもその商品の魅力を訴求したくなります。これが広告宣伝費の正しい使い方なのではないでしょうか。

 商品の魅力を知ることにより、自店が口コミの核となり、多くの顧客に伝えていくことが可能となります。とは言うものの、自店が扱う商品の魅力が見出せない方もいると思います。

 ガソリンスタンドで扱うタイヤを例に取ると、すり減ったタイヤは交換しなければ危険なのは分かるけれども、新品タイヤは新品であるだけで、タイヤという商品自体に魅力を見出せない、といった場合です。この場合は、次に挙げることを知る必要があります。

知っておくべきこと2:製造業者のこと

 飲食店には、店主が自分で釣ってきた魚や、自分が市場で仕入れてきた魚を提供するケースがありますが、一般にそのような店舗は、チェーン店よりも営業姿勢が熱心です。自分が釣ってきた、あるいは仕入れてきたという責任感がそうさせるのではないでしょうか。

 親が子どもの反抗期に耐えることができる大きな理由は、赤ん坊の頃の愛らしい姿を見てきており、一人前にしなければいけないという責任感を持っているためであり、これらが親を強くさせます。

 タイヤも同様で、どのようにして生産されたのか、その「生い立ち」を知ることにより、作り手の想いや、タイヤの構造を把握することができ、タイヤの魅力を把握できる可能性が高まります。

 そのためには、工場見学がベストですが、それが困難な場合は、インターネットで調べるだけでもかなり違ってきます。これに関連して次に挙げることも知っておくと良いでしょう。

知っておくべきこと3:卸売業者のこと

 タイヤが生産されてから、当店の手元に届くまでの過程を把握することも、タイヤの魅力を知ることに繋がります。つまり、タイヤが製造業者から卸売業者の手に渡り、どのような経路で当店に持ち込まれたか、卸売業者の想いやその業務を知るということです。

 そのために手っ取り早いのは、卸売業者へ訪問し、どうやって仕入れているのか、卸価格はどのように決まるのか、卸売ならではの苦労話など、様々な話を聞くことです。現在、卸売業者の数は減少の一途です。そのような中でも、生き残っている卸売業者は、生き残る術を持っているはずです。そのような苦労話も含めて話を聞くことは、タイヤの魅力を見出すことに繋がるでしょう。

 「押し売り」のゴールは売上を得ることです。これに対して「販売」のゴールは顧客の問題を解決することです。ベクトルが自店にのみ向いていると「押し売り」となり、それが顧客に向いていると「販売」になります。販売をするためには、顧客の問題を把握し、自店の商品でどのように解決できるのか、提案が必要だということです。

 今回のコラムでは、押し売りと思われたくない販売員が知っておくべき3つのこととして、1.商品の魅力、2.製造業者のこと、3.卸売業者のこと、を挙げました。押し売りと思われることに過剰反応して、顧客の問題解決まで手放すことがないよう意識して、日々の業務に取り組みたいところです。

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