洗車収益を上げたいガソリンスタンドが解消するべき3つの疑問

客単価向上

 ガソリンスタンド側は当然のこととして知っていることであっても、顧客が知っているとは限らず、疑問に思っていることは多々あるはずです。このことは洗車に関しても言えることであり、顧客が抱くガソリンスタンドの洗車に対する「声なき声」に答えることにより、かゆいところに手が届くガソリンスタンドとして、洗車収益を向上させることが可能となります。

 シャンプー洗車・ワックス洗車・撥水洗車という3つの洗車メニューは、王道と呼んでもいいくらい多くのガソリンスタンドで導入されています。ですが、導入しただけだったり、単なる御用聞き型の声掛けでは、売れていかないことは自明の理です。

 そこで顧客の疑問に答えつつ、提案型の接客をしていく必要がありますが、今回のコラムではガソリンスタンドが解消するべき、顧客が抱きがちな洗車に関する3つの疑問を通じて、洗車収益の向上策について見ていきます。

1.洗車収益を上げるために解消するべき顧客の疑問

洗車収益を上げるために解消するべき顧客の疑問(1)各洗車メニューはどう違うのか

 ガソリンスタンドで働くスタッフに、シャンプー洗車・ワックス洗車・撥水洗車(店舗によってはコーティング洗車、○○コート洗車などのケースがあります)の違いを聞いた場合に、以下の回答が得られると思います。
 「シャンプー洗車は、洗剤を使用する洗車」
 「ワックス洗車は、シャンプー洗車をした後にワックスがかかる洗車」
 「撥水洗車は、ワックス洗車よりも光沢が出て、持ちのいいコーティングが施される洗車」

 では、このことを顧客は知っているのでしょうか。

 また、顧客にとっては以下の疑問もあるはずです。
 「そもそもシャンプーって何なのか?」
 「ワックス洗車のワックスは手掛けワックスとどう違うのか?」
 「コーティングはワックス洗車よりどれくらい持ちがいいのか?」

 
 さらに、自分の車の状態だと、どのコースを選ぶべきなのか?作業に要する時間は?といった疑問も抱くはずです。このような顧客が抱いて当然の疑問に答えずして、単に「洗車いかがですか」と御用聞きをしたところで受注に至る可能性は高くないということです。

 また、顧客からの質問がないから顧客は分かっている、という考え方は正しいとは言えないでしょう。疑問を持っていても質問できない顧客が大多数であることを認識するべきであり、ご自身が外食したり買い物したりする際のことを考えてみれば自ずと分かることです。

 よって、このような顧客が抱いているであろう疑問に対して回答を告知するべきですが、このような各洗車コースの違いに関する疑問よりも重要な、ガソリンスタンドが解消するべき疑問があります。

洗車収益を上げるために解消するべき顧客の疑問(2)洗車機で洗うと傷がつくのか

 YAHOO!知恵袋、教えて!goo等の質問サイトに「ガソリンスタンド 洗車」のキーワードで検索すると、洗車機で洗って車体に傷がつかないか、という質問が多数寄せられていることが分かります。

 かつての洗車機は、ブラシで車体を洗う前の洗浄が十分ではなく、ブラシもナイロン製でした。そのため、ブラシ自体に水を含ませることが困難であり、ブラシが固く、車体とそれについた砂埃や泥がブラシの回転により擦れやすく、細かな傷がついたものでした。

 ですが、現在の洗車機は、ブラシで車体を洗う前の洗浄を比較的しっかり行うことができており、ブラシもスポンジや布製です。そのため、ブラシ自体が水を含むことができるため、ブラシが柔らかく、車体とそれについた砂埃や泥は、ブラシの回転があっても擦れにくなっています。よって、そのような洗車機で洗車をしても車体に傷は付きにくくなっています。

 洗車収益を向上させたいのなら、洗車に関するこれらの根本的な疑問を解消しておく必要があります。さらに、顧客が抱きがちな根本的な疑問として次に挙げるものがあります。

洗車収益を上げるために解消するべき顧客の疑問(3)洗車はキャッシュレス決済が可能なのか

 スマホ決済ができたり、自社クレジットカードを発行したりするガソリンスタンドが広がりつつあり、これらで決済するとガソリンが安くなる店舗が多い印象があります。

 これは顧客からすると、ガソリンの代金はキャッシュレスでの決済が可能という認識を持つこととなるわけですが、利益率が高くガソリンスタンドが一番売りたい洗車やタイヤといったガソリン以外の商品(油外商品)の決済に使えるかどうかは分かりません。

 店舗としては、ガソリンがキャッシュレスで決済できるのだから、油外商品もキャッシュレスで決済できて当然、という認識があるかもしれません。ですが、顧客は必ずしもそういう認識だとは限らない、ということです。

 経営が厳しい状態になり、一時、公的資金を注入されたメガバンクに社外取締役としてJR東日本出身の故・細谷英二氏が招聘された際に、細谷氏は15:00で窓口が閉まってしまうという営業時間や、カウンターを挟んで顧客を立たせ、行員は座ったままの応対に対して「銀行の常識は世間の非常識」と捉え、改革を行った結果、業績を回復させて公的資金を前倒しで完済させました。

 このように、自店の常識を疑うことにより、顧客に寄り添った商売をすることが可能となり、結果として収益が向上することとなります。

 洗車収益を上げたいガソリンスタンドが解消するべき3つの疑問として、(1)各洗車メニューはどう違うのか、(2)洗車機で洗うと傷がつくのか、(3)洗車はキャッシュレス決済が可能なのか、を挙げました。

 これらの疑問に対する回答は、洗車メニューのチラシに印刷をして、給油中にハンドアウトすることにより、顧客は後から見返すことも可能となり、洗車を発注する可能性が高まります。洗車収益向上に取り組むガソリンスタンドには、ぜひ取り組んでいただきたいと思います。

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