また辞められた…。アルバイトの早期離職を防ぐ3つの対策

　1．失敗させないこと、2．お互いに名前を覚えてもらうこと、3．フォローアップ面談を実施すること、この3つを行うことでアルバイトスタッフの早期離職が防止できる可能性が高まります。

　アルバイトを含む非正規雇用者の55％が半年以内に離職しているというデータがあります。人材不足の中、ようやく採用したものの早期に離職してしまうケースが非常に多いわけです。
　ガソリンスタンドで店長を務めていた私の経験をもとにすると、その早期離職者のほとんどが、何も言わず、突然来なくなります。早期に離職する人ほどその傾向が高まります。

　忍耐強さが足りない、と嘆くのではなく、早期離職の理由を予め潰しておくことで、長期にわたって勤務してくれる可能性が高まります。当コラムでは、アルバイトスタッフの早期離職を防ぐ方策を詳しく見ていきます。

対策1：失敗させないこと

　人は、その組織の役に立っているという実感が大きいほど、その組織に所属し続けようというモチベーションが高まります。反面、その組織の足を引っ張っている、という実感が大きいほど、その組織から脱退したいというモチベーションが高まってしまいます。

　つまり、採用したアルバイトスタッフに初期段階で失敗をさせないことです。そのためには、新人スタッフがやりがちな失敗を洗い出し、それを防止することです。

　ガソリンスタンドにおける新人スタッフに多い失敗は、軽自動車に軽油を給油してしまうことです。一般的なガソリンスタンドで取り扱う車の燃料は、ガソリンか軽油です。来店客は、軽自動車、普通車、大型車など様々な車両を運転してこられますが、軽自動車はガソリンを燃料としています。
　

　ところが、軽自動車と軽油は「軽」繋がりで、軽自動車に軽油を給油するミスが多いわけです。これをしてしまうと、車両は走行中に停止し、燃料の抜き替えが必要となります。

　このような新人スタッフが犯しやすい失敗は、入社直後に教育をした上で、現場でのフォローアップもしていく必要があります。これにより、失敗を防止し、組織の足を引っ張ってしまったので、この職場には居づらいという心理に陥らないようにする必要があります。

　そして、失敗を防ぐだけでなく、早く職場になじめるようにする工夫も必要です。

対策2：お互いに名前を覚えてもらうこと

　入社して間もないアルバイトスタッフは、先輩スタッフの顔と名前が一致しません。先輩スタッフにとっても、新人が入ってきたことは知っているものの、名前を知らない場合があります。

　そのため、入社初日に新人と先輩の自己紹介をしたりするものですが、それだけで顔と名前が一致することは多くないでしょう。また、その日に出社していない先輩スタッフも存在するわけです。

　人は、名前で呼ばれると相手に認められた、と感じます。そこで、ある大手量販店では、休憩室に、スタッフの顔写真、名前、趣味、星座などを貼り出すことにしました。
　この仕組みを取り入れた結果、新人スタッフも先輩スタッフも早期に顔と名前が一致するにようになり、職場の会話が増え、新人スタッフが早期に職場に馴染めるようになりました。その結果、離職率が3分の1に減少しました。

　このようにして早期に職場に馴染めることができたとしても、実際に働いてみると新人スタッフならではの、様々な不満や疑問が生まれることは容易に想像できます。よって、次の対策を打つ必要があります。

対策3：フォローアップ面談を実施する

　疑問や不満が大きいほど、早期離職に繋がりますので、フォローアップ面談が必要となります。特に新人スタッフは、業務に慣れておらず、か弱い状況ですので、しっかりフォローアップする必要があります。面談相手は、採用面接やトレーニングに当たったスタッフ以外のスタッフだと望ましいですが、人員の都合でそうも行かない場合は、店長や先輩スタッフが面談することとなります。

　このポイントは、入社初日にフォローアップ面談の日程を決めて、新人スタッフにも知らせておくことです。これにより、新人スタッフは、フォローアップ面談の日までは頑張れます。日程的には、入社2週間後程度が望ましいのではないでしょうか。

　以上、アルバイトの早期離職を防ぐ3つの対策として、1．失敗させないこと、2．お互いに名前を覚えてもらうこと、3．フォローアップ面談を実施すること、を取り上げました。せっかく採用し、教育しても、早期離職はこれらを全て無にしてしまいますので、是非これらを意識して取り組んでいただけたらと思います。