ガソリンスタンドが24時間営業を継続するための留意点

経営の姿勢

24時間営業を巡るコンビニ本部と加盟店の対立

 あるコンビニエンスストアのフランチャイズチェーンにおいて、人手不足を理由に加盟店が24時間営業をせず、営業時間を短縮したところ、本部から1千数百万の違約金が請求されたことがニュースで報道されました。

 当該加盟店はこれを不服とし、全国のフランチャイズコンビニオーナーらで組織する「コンビニ加盟店ユニオン」とともに、当該フランチャイズチェーン本部に対し、営業時間短縮の条件を協議する団体交渉の申し入れを行ったとのことです。

 24時間営業を止めて収益を向上させたファミリーレストランや、今年の正月には、元旦営業を取り止めた大手外食チェーンがあったという背景もあり、24時間営業を見直そうという気運が高まっているように感じます。

 今回のコラムは、24時間営業の是非を問うものではなく、どうすれば24時間営業を継続できたのか、という観点からロードサイド店舗の繁栄を考えてみたいと思います。

なぜ24時間営業をするのか

 私は24時間営業のガソリンスタンドの店長をしていた時に、諸々の事情から0:00~7:00の営業を止めて、17時間営業に短縮したことがあります。その後の月間販売データを見ると、0:00~7:00の客数分以上に客数が減っていました。営業時間の短縮は顧客の利便性を低下させ、結果として店舗全体の売上減少に繋がる可能性が高まります。

 深夜の時間帯そのものは、客数は多くなく、客単価も高くなく、決して収益性の良い時間帯ではありません。それにもかかわらず24時間営業を行うのは、いつでも開いているという安心感や利便性を提供し、店舗イメージを維持向上させることや、日中の時間帯における売上への波及効果を狙っているため、と言えるでしょう。

 その反面、24時間営業を行うガソリンスタンドの多くの店長は、24時間営業をしたいと思ってそうしているわけではありません。それは、リスクを伴うからです。
 人材が集まらなければ自分が日中だけでなく深夜勤務もしなければなりません。深夜の時間帯に店舗でトラブルが起きれば、スタッフからの電話で叩き起こされます。そんな苦労をしても給与は24時間営業ではない店舗の店長とさほど変わりはありません。

 しかし、本社の経営陣からの指示で、渋々24時間営業をしています。店長がこのような意識であれば、深夜の時間帯に働くスタッフが生き生きと働くことはなく、人材難に陥る可能性が高まってしまいます。

 では、このようなリスクを防止するにはどうすればよいのでしょうか。

24時間営業に対する意識を変える

 まず、店長が持つ24時間営業へのマイナスイメージを払拭する必要があります。24時間営業が自社の経営理念とどのように関連するのか、また24時間営業を行う意義など根本的な考えを、経営陣と店長がすり合せる必要があります。

 また、早期発見・早期解決という考えの下、経営陣は24時間営業の店舗を預かる店長から、深夜の時間帯に関する問題の芽を見出すべく、定期的な電話フォローで以下のような質問を投げかけることが必要でしょう。これは、店長が自身の部下である深夜スタッフに意識を向けるきっかけにもなり得ます。
 「最近、深夜スタッフに店長としてどのような言葉掛けをしましたか」
 「最近、深夜スタッフに店長としてねぎらいの言葉や感謝の言葉は発しましたか」
 「最近、深夜スタッフに遅刻はありませんか」
 「最近、深夜スタッフは疲れた顔をしていませんか」
 「最近の深夜スタッフの人間関係を店長としてどう感じていますか」

 さらには、24時間営業の店舗を預かる店長だけを集めた店長会議を開催して、このような店舗ならではの悩みの共有をすることや、店長に対して、主力メンバーが参加する店舗ミーティングに深夜勤務のリーダー的スタッフを参加させることを促しても良いでしょう。

 ガソリンスタンドが24時間営業を継続するための留意点は、経営陣・店長・深夜スタッフの連携を図ることにより、店長の24時間営業に対する意識を変えていくことが必要です。そのような観点からすると、冒頭のフランチャイズチェーン本部と加盟店は別資本であることも影響し、24時間営業に対する一体感が欠けていたことも対立の背景にあったのかもしれません。

24時間営業に関するコラム

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