ガソリンスタンドが24時間営業を止めるべき3つの理由

戦略の考え方

 すかいらーくグループが24時間営業を全店廃止することを表明しました。個人的には、私が21年間身を置いていたガソリンスタンドも24時間営業は止めるべきだと思っています。今回のコラムでは、なぜそのように思うのかを述べていきます。

ガソリンスタンドが24時間営業を止めるべき理由1:店長の負担が大きいから

 ガソリンスタンドにおける店長の役割は非常に大きいものがあります。現場のトップですから当然なわけですが、そのような大きな役割を担う店長の元には、店舗スタッフが対応出来ない事態が起こると自宅にいようとどこにいようと電話がかかってきます。

 そのほとんどが、オイル交換の時間が長過ぎる、洗車の対応が良くなかったなどという顧客からのクレームに対応しきれなかったケースや、深夜スタッフが出社してこないというケースです。よって、勤務時間外でクレーム対応をしたり、急遽、深夜シフトに入ったりすることになります。

 特に、店長の経験が少ない場合は部下の育成も充実していないケースが多いですから、本当に電話がたくさんかかってきます。これが24時間営業だと24時間電話がかかってくる可能性があるということです。店長が休まるはずもありません。

 24時間営業の店舗を預かる雇われ店長に対しては、手当てが付いたりしますが雀の涙程度であり、大きな負担に報いるものではありません。これらの負担も経営者だったら耐えられると思いますが、店長とは言え、雇われている身としては、大きくモチベーションを下げることとなります。

ガソリンスタンドが24時間営業を止めるべき理由2:顧客の満足度が低いから

 店長は、基本的に様々な利害関係者と接触する立場であることから、深夜シフトには入らないものです。結果として、日勤がメインとなりますのでその時間帯のスタッフの意識やスキル面は向上しやすいです。

 これに対して店長と深夜スタッフとの接触は、店長が朝出社して深夜スタッフが退勤する時か、深夜スタッフが夜出社して店長が退勤する時に限られる場合がほとんどであり、意思疎通が希薄になります。

 朝食会やミーティングなどでそれを補おうとしても、所詮同じ時間帯に働いていないわけですから、効果は限定的です。このことが、ガソリンスタンドの深夜の時間帯を無法地帯とさせます。スタッフの友人のたまり場になっていたり、スタッフが勤務中に車を整備することに夢中になっていたりします。接客レベルも低い状態が続きます。

 さらには、トラブルを恐れて深夜の時間帯は、洗車やオイル交換などガソリン以外の商品(油外商品)販売は控えるケースがほとんどですから、それらを望む顧客の満足度は高いものにはなりません。

ガソリンスタンドが24時間営業を止めるべき理由3:収益性が悪いから

 22:00~5:00に働くスタッフの人件費は、それ以外の時間帯の人件費に25%加算したものでなければならないのが現状のルールです。さらには、光熱費の負担も小さくはありません。

 これに対して、深夜の時間帯の客数は決して多くはありません。前述の通り、油外商品の販売もしませんから、客単価も上がりません。売上が小さく費用が大きいですから、収益が良いわけがありません。それでも過去には24時間店に対してメーカーは、それに関する援助をしていましたが、それも今ではありません。

 24時間営業を止めると、時短分以上に売上は低下します。ですが、これにより店長のモチベーションが上がるのであれば、短い営業時間で十分カバーできるのではないでしょうか。

 今回のコラムでは、ガソリンスタンドが24時間営業を止めるべき理由として、1.店長の負担が大きいから、2.顧客の満足度が低いから、3.収益性が悪いから、を挙げました。ガソリンスタンドは、車社会のインフラですから、おいそれと撤退してはいけないはずです。撤退を招きかねない24時間営業は見直すべきではないでしょうか。

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