生き残るセルフサービスのガソリンスタンド3つの共通点

戦略の考え方

 資源エネルギー庁によると、国内のガソリンスタンド店舗数は、2018年度末で30,070となりました。前年よりも約2.2%減少、ピークだった1994年度末の店舗数60,421の半分以下の数値です。

 このようにガソリンスタンドの生き残りが厳しさを増す中、今回のコラムではセルフサービスのガソリンスタンドに焦点を当て、生き残ることができる可能性の高いセルフスタンドの共通点を見ていきます。

1.生き残るセルフサービスのガソリンスタンドにおける共通点

生き残るセルフサービスのガソリンスタンドにおける共通点(1)店内誘導をする

 セルフサービスのガソリンスタンドは、顧客が自由に入店し、自由に給油できますが、店舗が混雑してくると顧客同士の気遣いが求められます。これがうまくいかないとトラブルの原因となります。

 混雑時に、給油を終えた場所でそのまま車の窓を拭き始めたり、給油エリアに車を置きっぱなしにしてトイレに行ってしまったりすると、後ろで待つ顧客とのトラブルに発展しかねません。そして、その店舗で嫌な思いをした顧客は、その店舗から足が遠のくようになるでしょう。

 そこで、店舗スタッフは給油後に車両を即座に移動しない顧客のフォローをする必要があります。具体的には、給油後に窓を拭いたり、トイレに行ったりするのであれば車両を移動していただきたいことや、移動場所をお伝えし、誘導する必要があります。

 また、給油待ちの車両に対しては、どこで待てばよいのか、どのレーンに行くと良いのかなど、こちらも誘導することで顧客満足を高めることが可能となります。

生き残るセルフサービスのガソリンスタンドにおける共通点(2)洗車客へアプローチをする

 ドライブスルー洗車で行列ができた場合、洗車機に車両を入れる前に洗車機の入り口近辺で予備洗いをする顧客と後ろで待っている顧客とのトラブルが起こるケースがあります。やはりこのようなトラブルを顧客が経験すると、それをきっかけに同店から足が遠のくリスクが発生します。

 よって、店舗スタッフが予備洗いに費やす時間に気を配り、長くなりそうであれば、場所を変えて予備洗いをしてほしい旨をお伝えすることが重要ですが、そのためには、洗車客に目を向ける必要があります。

 そこで、ドライブスルー洗車を利用しに来られた顧客には、必ず洗車機操作のフォローをするようにし、併せて洗車プリペイドカードのアプローチを徹底すると良いでしょう。なお、洗車プリペイドカード販売のメリットに関しては以下のコラムを参考にしてください。

生き残るセルフサービスのガソリンスタンドにおける共通点(3)空気圧点検をする

 これまで述べてきた取組みは、スタッフが持つ顧客への関心がポイントとなりますが、日頃からその意識を醸成させるために有効なのがタイヤの空気圧点検です。

 エンジンルームの無料点検を申し出ると、顧客は「何か勧めてくるのでは」と警戒心を抱き、なかなか点検に応じないものですが、タイヤの空気圧点検であれば、タイヤがパンクしていたり、すり減っていたりしない限り、店舗スタッフは何も勧めることができません。よって、顧客としては気軽に点検の申し出に応じやすくなります。

 セルフ給油のガソリンスタンドの場合、空気圧点検もセルフの場合が多いわけですが、点検に慣れていない顧客はバルブキャップをうまく外すことができなかったり、空気を入れようとしてもうまく入っていかなかったりします。そこで、店舗スタッフが空気圧の無料点検を申し出ると喜ばれます。

 これにより、顧客と接点を持ち、混雑時の対応だけでなく、タイヤ販売や、それをきっかけとしたその他商品の販売に繋がりやすくなります。

 今回のコラムでは、生き残るセルフサービスのガソリンスタンドの共通点として、(1)店内誘導をする、(2)洗車客へアプローチをする、(3)空気圧点検をする、を挙げました。顧客同士のトラブルを防止するとともに、安心できる点検の提供により、生き残りを図っていただけたらと思います。

2.当コラムの解説動画

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