小規模事業者持続化補助金に採択!持帰り居酒屋の事例(その2)

小規模事業者持続化補助金

 タイ・ベトナム料理をメインメニューとしているその居酒屋を運営する事業者は、売上の確保策としてテイクアウトに活路を見出そうとしたわけですが、そのことを告知する必要性を感じていました。

 そこで、これにかかる費用の3分の2、原則として上限50万を補助する小規模事業者持続化補助金を活用しようと考えたわけですが、補助金に採択されるには、完成度の高い計画書を提出しなければなりません。そこで、事前に当該補助金用の計画書様式に書き込んでいただき、弊社からのアドバイスの下、ブラッシュアップしていくことにしました。

 同店が計画書をブラッシュアップしていくプロセスをご紹介するシリーズの2回目は、下図の赤囲み部分、様式2<経営計画>の「3.自社や自社の提供する商品・サービスの強み」について見ていきます。

不要な部分は削ぎ落とす

 予め当欄に書かれてきた内容を箇条書きにすることは、不要な部分を削ぎ落すこととなります。結果として以下のようになりました。

 ①当店前に信号機があることから、当店は赤信号で停まった車両の目に留まりやすい。
 ②当店隣にコンビニエンスストアがあることから、当店は同店に来店した方の目に留まりやすい。
 ③代表は、居酒屋の勤務や運営経験が豊富であり、接客が得意である。
 ④タイ・ベトナム料理は野菜を多く使用し、味付けも酢を使っているためヘルシーである。
 ⑤生活習慣病が増えているため、日本人が食べやすいヘルシーなタイ・ベトナム料理を提供して、イメージを変えていきたい。
 ⑥顧客とのコミュニケーションにより、家庭的な雰囲気を作り、身近な居酒屋であることを認知して欲しい。

 これらを以下の手順でブラッシュアップしていきます。

強みと強み以外に切り分ける

 当欄は【自社の強み】【自社の提供する商品・サービスの強み】を記入する欄ですが、①②③は【自社の強み】、④は【自社の提供する商品・サービスの強み】となります。

 反面、⑤は強みではなく、「生活習慣病が増えている」という市場の動向と、「日本人が食べやすいタイ・ベトナム料理を提供して、イメージを変えていきたい」という今後の方針を示しています。よって、前者は「小規模事業者持続化補助金に採択!持帰り居酒屋の事例(その1)」で示した「2.顧客ニーズと市場の動向」へ、後者は次回のコラムで詳しく解説する「4.経営方針・目標と今後のプラン」に盛り込むこととなります。

 同様に⑥も方針を示していますので、やはり「4.経営方針・目標と今後のプラン」に盛り込むこととなります。

強みを見出す観点

 このように切り分けていくと、【自社の強み】は3つ、【自社の提供する商品・サービスの強み】は1つとなりますが、本当にそれしかないのか検討する必要があります。

 【自社の強み】は4つの経営資源、つまり「人」「物」「金」「情報」の観点から検討することとなります。

 「人」の強みとして、代表の接客を取り上げていましたが、代表の仕事は接客だけでなく、材料の調達、仕込み、調理といった接客の前の仕事や、会計、お見送りといった接客の後の仕事もあります。これらの仕事で発揮されている強みはないか、また、従業員がいればその方の強みも洗い出したいところです。

 「物」の強みとして、店舗の立地、つまり店舗外からの視点での強みを示していますが、店舗内からの視点、具体的には、清掃・衛生状況、店内レイアウト、設備などの強みも検討したいところです。また、料理といった「物」つまり、商品の強みは別途【自社の提供する商品・サービスの強み】として記載することとなります。

 「金」の強みは、資金繰りや借金などの話ですが、小規模事業者の場合、この点に強みを持っているケースは多くなく、見当たらなければ書く必要はないでしょう。

 「情報」の強みは、店舗が受発信している情報の内容やその手段に着目して記載することとなります。

 重要なことは、これらの強みを広く多くの方に訴求したり、強みを強化するために、小規模事業者持続化補助金を使う、ということです。弱みの克服ではなく、強みの強化が経営資源に大きな制約のある小規模事業者が繁栄するためのセオリーですので、まずは、多くの強みを見つけていただきたいと思います。

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