持続化補助金に採択された新聞販売店の計画書作成事例⑥

小規模事業者持続化補助金

 新聞の市場規模はここ14年間で3割以上縮小しています。活字離れ・スマートフォンによる情報収集の進展などがその理由とされています。そこで、各家庭に新聞を届ける新聞販売店の統廃合が進む中、今回ご紹介する新聞販売店は、矢継ぎ早に新規事業へ打って出ており、業績を伸張させていました。

 同店は、さらなる新規事業として新聞購読者に対して家電のカタログ販売をすることとし、そのための告知費用と顧客管理システム導入費用を小規模事業者持続化補助金で調達することとしました。

 そのご支援を弊社が行い、無事採択されたわけですが、同店が採択される計画書をどのように作成したのかをご紹介します。今回のコラムでは、下図の提出書類一覧表の赤枠部分、

  • 「様式2-1 経営計画書兼補助事業計画書①<補助事業計画>Ⅰ.補助事業の内容「4.補助事業の効果」
  • 「様式3-1 補助事業計画書②」Ⅱ.経費明細表

を見ていきます。

1.「補助事業の効果」記入の仕方

 当欄には、売上高や利益の増加といった【自社の効果】のみを記載しているケースが多い印象がありますが、売上高や利益の増加は【顧客の効果】があってこそ得られる効果です。また、補助金の財源は税金である以上、【地域社会の効果】といった公的な観点も盛り込む必要があると考えます。よって、同店の場合、概ね以下の内容で「補助事業の効果」を記載しました。

 【自社の効果】

  • 売上高○倍、税引前当期純利益◎倍が達成される。
  • 顧客へ利便性を提供でき、関係性が強化できる。

 【顧客の効果】

  • 新聞購読や●●サービスで培った人間関係に基づいて、安心して家電製品を購買できる。
  • 量販店では困難な、迅速かつ丁寧な接客・アフターフォローを受けることができる。

 【地域社会の効果】

  • ひとり暮らしの高齢者の生活サポートが手厚くなることから、地域外へ住む親族宅への引っ越しが減少し、地域の人口減少を防止できる。

2.「経費明細表」の書き方

(1)審査の観点を意識する

 日本商工会議所全国商工会連合会が公表している小規模事業者持続化補助金応募の際のルールブックである「公募要領」には、補助金採択審査の際にどのような観点から審査されるのかが示された「審査の観点」というページがあります(下図参照)。

 そのうち赤枠で囲んだ部分は「経費明細表」の審査に該当するものと判断できます。

 この観点を意識して「経費明細表」を記載しますが、留意点は以下の通りです。

(2)ミスの多い欄を意識する

 当欄の記載ミスが多いのは下図の赤枠部分です。

 「(1)経費区分」は、①機械装置等費、②広報費、③展示会等出展費、④旅費、⑤開発費、⑥資料購入費、⑦雑役務費、⑧借料、⑨専門家謝金、⑩専門家旅費、⑪設備処分費、⑫委託費、⑬外注費、のいずれかを入力します。例えば「②広報費」を「広告宣伝費」という形で独自の経費区分を設けたり、○付き数字を省略したりしないように留意して記載しました。

 次に「内容・必要理由」ですが、何に補助金を使うのか「内容」は書かれていても「(2)必要理由」が書かれていないケースが多い印象です。様式2-1の<補助事業計画書>「2.販路開拓等(生産性向上)の取組内容」で、なぜその補助事業を行うのか、必要理由の記載をお勧めしていますが、それを当欄にそのまま持ってくることも一考です。

 (3)回数についても、単価は書かれていても、何回もしくは何個買うのかが抜けているケースが多い印象です。1回なら「1」としっかり記載する必要があると考えます。

 (4)税抜・税込は、どちらかを囲むわけですが、どちらも囲まれていないケースが多い印象です。消費税の課税事業者であれば「税抜」を、免税事業者であれば「税込」を囲みます。

 これらに留意した結果、同店が作成した経費明細表は概ね以下の内容となりました。

 このようにして同店の計画書を作成し、無事採択されましたが、同店のように市場規模が縮小している業界に所属する事業者は、自店の厳しい事業環境の説明に字数を費やしがちです。それよりも、今後自店はどのようなプランを描いているのかを、前向きかつ丁寧に記載したことが採択を勝ち取るひとつのポイントになったと思います。

 なお、当シリーズのバックナンバーは以下となります。

 持続化補助金に採択された新聞販売店の計画書作成事例①

 持続化補助金に採択された新聞販売店の計画書作成事例②

 持続化補助金に採択された新聞販売店の計画書作成事例③

 持続化補助金に採択された新聞販売店の計画書作成事例④

 持続化補助金に採択された新聞販売店の計画書作成事例⑤

3.小規模事業者持続化補助金の申請書類作成をサポートします

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