持続化補助金【低感染リスク型ビジネス枠】飲食店の採択事例①

小規模事業者持続化補助金

 フランス料理を提供する同店は、新型コロナウイルス感染症の拡大を受けて、来店客のソーシャルディスタンスを確保するために客席を間引くとともに、混雑を避けるためにキャンペーンを自粛、また行政からの要請を受け営業時間を短縮した結果、業績が低下してしまいました。

 そこで、コロナ禍で開始したネット通販を強化するべく、自社サイトのブラッシュアップ、パッケージの開発、パンフレットの作成を行うことにしました。そして、その費用の一部を小規模事業者持続化補助金【低感染リスク型ビジネス枠】で調達するために計画書を作成し、応募した結果、無事採択されました。

 当コラムでは、同店が作成した計画書の内容から、なぜ採択されたのか想定される理由を検証し、採択の可能性を高める計画書の書き方を述べていきますが、今回は<経営計画>「1.自社の事業概要」を取り上げます。なお、当コラムの内容は2021年10月19日時点の情報に基づいています。

1.採択の可能性を高める「自社の事業概要」の書き方

(1)後継者の存在を訴求する

 同店は「1.自社の事業概要」の冒頭に経営者の略歴、同店の沿革、営業時間やスタッフ数などを記載していましたが、その中に後継者が存在していることを記載していました。

 補助金を交付する側としては、それを有効に使っていただきたいという意図がありますから、交付した補助金を使ったものの、高齢などの理由で事業をすぐ畳んでしまう可能性がうかがえる場合は、やはり採択はしにくいものです。

 小規模事業者持続化補助金<一般型>は後継者が中心となって補助事業を展開する場合、「事業承継加点」として、審査時に加点されることになっていますので、該当欄や該当様式に後継者のことを記載できます。

 これに対して<低感染リスク型ビジネス枠>はこの制度がありませんので、同店のように「1.事業概要」で後継者の存在を訴求することが、採択の可能性を高めたと言えるのではないでしょうか。

(2)ビジュアルに訴求する

 同店は店舗内外装の他に、コース料理の一例、経営者の写真などを盛り込んでいました。このように写真を盛り込むことは、内容のリアリティが高まり、読み手を引き込んだり、内容の理解を促したりすることが可能です。これに前述の後継者の写真があれば言うことはないといった印象を受けました。

 また、売上総額の大きいメニューに関しては、メニュー名と金額を一覧表にしたり、箇条書きを活用したりして、読みやすさを意識していたことも採択の可能性を高めたと思われます。

(3)データから経営課題を訴求する

 同店は、新型コロナウイルス感染症の影響を受け、ネット通販を開始していました。そこで、前述の売上総額の大きいメニューの一覧表については、イートインとネット通販それぞれの一覧表を作成し、そのメニューと金額、客単価を盛り込んでいました。

 この2つの一覧表から分かることは客単価の差が大きいということです。ネット通販の客単価はイートインの3分の1程度になっており、ネット通販の客単価向上が課題であることが一目瞭然となっていました。

 このように課題を明確にして、補助事業でそれを解決するというストーリー構成が出来上がっていたことも採択の可能性を高めたと言えるでしょう。

 今回のコラムでは、小規模事業者持続化補助金【低感染リスク型ビジネス枠】に採択された飲食店の<経営計画>「1.自社の事業概要」を見てきましたが、採択の可能性を高める書き方として、 (1)後継者の存在を訴求する、(2)ビジュアルに訴求する、(3)データから経営課題を訴求する、を挙げました。

 次回は今回に引き続き「2.新型コロナウイルス感染症の影響・既に取り組んでいる対策」を見ていきます。

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