集客力の高い人気の飲食店がさらに集客力を高め人気を博す理由

戦略の考え方

睡眠時間が足りない

 先日、福島県須賀川市の居酒屋「北の酒膳」で働く従業員の細やかな気配りを紹介しました。
 【参考記事】集客力の高い人気の飲食店で働く従業員が見せた気配りの接客

 私は、その翌々日の夜にも須賀川での仕事を控えていたわけですが、翌々日は現地に宿泊するわけにはいきませんでした。というのも、翌々日は、次の日の早朝に都内羽田空港から九州に飛ぶ予定が入っており、須賀川に宿泊して次の日の朝に当地から出発した場合、そのフライトに間に合わないからです。

 そこで、翌々日は、須賀川で仕事を終え、そのまま約3時間かけて羽田へ移動、現地のホテルへ宿泊し、次の日の早朝フライトに備える必要がありました。睡眠時間は4時間程度しか取れない見込みで、ホテルでゆっくり晩御飯、というわけにはいきません。

従業員からのご提案

 「北の酒膳」でテレビのリモコンを渡されたその日、他の顧客が引けてしまい、従業員と話をしていた際に、その翌々日の話になり、少しでも睡眠時間を確保したいので、都内に向かう新幹線の車中で晩御飯を済ませるつもりであることをお伝えしたところ、「当店の料理はテイクアウトできますよ」と言われました。

 地方の駅売店は、都内に比べると閉店時刻が早く、新幹線の車内販売もタイミングよく来てくれるとは限りませんので、予め食事の手配ができるのはありがたいことです。
 ただし、料理をテイクアウトできることが分かったとしても、料理が美味しいだけでなく、細やかな気配りのできる従業員がいるお店だからこそ、テイクアウトしようと思うわけです。そして、その判断が正解であったことを私は翌々日に知ることになります。

 従業員の方のご提案を受け、私は、翌々日のテイクアウト用として、海鮮サラダ、焼き鳥の盛り合わせ、卵焼きをオーダーしたところ、サラダ用のドレッシングが複数あることを知らされ、和風ドレッシングをお願いしました。そして、翌々日にそれらを取りに来る時刻をお伝えし、その代金もお支払してお店を後にしました。

ハロー効果

 当日の夜、仕事を終えた私は、「北の酒膳」で料理を受け取り、須賀川駅に向かい、在来線で移動後に新幹線へ乗り換えました。新幹線の車内は、夜遅いこともあり、席はガラガラ、ひとりで2席を使用できる状況でした。

 早速、テイクアウトした料理をテーブルに拡げようとしたところ、袋の中にプラスチックの小瓶が入っていることに気付きました。中身はドレッシングだったのです。予めサラダにドレッシングをかけてテイクアウトさせると、持ち運びの際に斜めになった場合に、容器からの液漏れが発生することを見越した気配りでした。

 ハロー効果というものがあります。ここでいう「ハロー」とは「Halo」であり、後光効果とも言われます。人事考課の際に気を付けなければならないものとしてよく取り上げられ、あるひとつの事象をもって、全体が幻惑されることを指します。例えば、半年間における部下の評価をする際に、前日に良い仕事をしたことに影響を受け、半年間の評価が良いものになってしまうというものです。

 サラダ用のドレッシングをプラスチックの小瓶に入れてテイクアウトさせるという取り組みは、飲食店では当然のことなのかもしれません。ですが、前回のテレビのリモコンを渡したという「後光」が効いていることから、またもや素晴らしい気配りを受けたと感じてしまうのです。

 私は、新幹線の車内ですっかり嬉しくなってしまいました。もちろん、冷めてしまったとはいえ、料理も美味しいものでした。

「気配り」という差別的優位性

 弊社が提供しているコンサルティングのメインテーマは「立地に頼らない」販売促進戦略の構築です。店舗を構えてビジネスをする事業者にとって、立地は重要ですが、競合の進出など外部環境が変わったとしても、一度立地を決めてしまうと、おいそれと変えることはできません。
 そこで、美味しさや安さを前面に打ち出す飲食店が多い印象がありますが、「北の酒膳」のように、何につけ、細やかな気配りを行うことも、立地上の不利を補うことが可能となります。

 集客力の高い人気の飲食店がさらに集客力を高め人気を博す理由は、このような気配りに基づくハロー効果にあるのだろうと思いながら、新幹線内での食事を楽しむことができた夜でした。

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