離職率が高いガソリンスタンドの店長に共通する3つの特徴

経営の姿勢

 その数、実に70人。これは、私がガソリンスタンドの店長1年生の時に、1年間で私の元を去って行ったアルバイトスタッフの数です。1年は52週間ですから1週間で1名以上辞めていた計算になります。

 そんなダメダメ店長だった私が、13年後には、大学生のアルバイトスタッフが、正社員になりたがるガソリンスタンドにすることができました。

 その頃の私は、店長兼エリアマネージャーとして複数の店舗を統括するとともに、他店の店長研修も行うようになっていました。ガソリンスタンドを辞め、自身でコンサルティング事業を興した後も、いくつものガソリンスタンドを診てきました。

 今回のコラムは、そんな経験を踏まえて、離職率の高いガソリンスタンドの店長に共通する特徴を見ていきたいと思います。

特徴1:アルバイトスタッフの話を聞かない

 パフォーマンス・キラーという言葉があります。これは、メンバーを激励し指導しようとしているつもりでも、メンバーのモチベーションを下げたり、自信を喪失させたりしている関わりのことを指し、3つの類型があるとされます。

 そのうちの1つ「部下の意見を受け止めず、問題解決に走る」店長の元からは、スタッフが去りやすいように思います。
 具体的には、「私だったら、こうするな」という相手を無視したアドバイス、「四の五の言わずにとっととやれ」という立場を利用した解決方法の押し付け、「やらないとクビにするぞ」という条件付きの指示命令、というものです。

 なぜこのような言動をとってしまうのか。それは、店長がアルバイトスタッフに興味を持っていないからでしょう。興味があれば、相手の話を聴き、それに応じた対応ができるはずです。
 上記のように十把一絡げに問題解決に走る店長は、アルバイトスタッフに失望され、離職率が高まってしまうでしょう。

特徴2:誰に対しても画一的な指示が多い

 とにかく指示を出したがる店長の元からは、特に成熟の領域に差し掛かったアルバイトスタッフは逃げ出したくなります。

 1977年にハーシーとブランチャードが発表したSL(Situational Leadership)理論では、部下が未熟だったり、成長途上だったりする場合は、指示が多いことが有効なリーダーシップとしています。

 反面、指示が少ないリーダーシップは、部下が成熟・熟練の領域に差し掛かった場合に有効なリーダーシップとしています。アルバイトスタッフの離職率が高い店長は、部下の成長レベルに関係なく、画一的な指示が多い傾向にあります。

 これは、自分の思い通りに部下が動いてくれなければ気が済まないタイプとも表現でき、そのような店長の元で働くアルバイトスタッフは、自分らしさを封じられることから、離職を考えやすくなります。

特徴3:効果的な質問ができない

 離職率の高いガソリンスタンドの店長の多くは、自分がアルバイトスタッフに何を言おうか、という点ばかり考えています。自分の言葉でどう説得するか、を考えるということです。

 ですが、人は自分の考えに基づいて行動を起こします。よって、アルバイトスタッフといえども、当人の考えを尊重してくれて、その考えに基づく行動を認めてくれるとモチベーションが高まります。

 ところが、アルバイトスタッフの考えがいつでも正しいとは言えないわけです。そこで、店長は折を見て質問をし、どのような考えを持っているのかを引き出し、誤解・思い込みを解くとともに、正しい仕事の姿を共有する必要があります。

 この際に活用したいのが、イエス/ノーで回答できないオープンクエスチョンです。この質問方法は、以下の5W3Hを明確にさせる質問と言い換えることができます。

 When(いつ) 例「その意見はいつから持っていたのですか?」
 Where(どこで) 例「どこでその話を聞いたのですか?」
 Who(誰が) 例「誰がやるべきだと思いますか?」
 Why(なぜ) 例「なぜタイヤを売るのが得意なのですか?」
 What(何を) 例「何を売るべきと考えますか?」
 How(どのように) 例「洗車をどのように売ろうと思いますか?」
 How many(どのくらい) 例「どのくらいのトレーニングが必要だと思いますか?」
 How much(いくら) 例「ガソリンスタンドの時給はいくらが適切だと思いますか?」

 なお、この手法は、ある程度キャリアを積んだアルバイトスタッフに有効である点を心得ておくとよいでしょう。

 離職率が高いガソリンスタンドの店長に共通する特徴は、1.アルバイトスタッフの話を聞かない、2.誰に対しても画一的な指示が多い、3.効果的な質問ができない、という点であることを示してきました。

 このような店長が持つ価値観は「アルバイトは無能である」というものです。この価値観から今回取り上げた3つの特徴が出てきます。まずはアルバイトスタッフに限らず、自身の部下は有能である、と認めるところから始めてみてはいかがでしょうか。

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