部下のモチベーションを下げる上司に共通する3つの特徴

モチベーション

 私は21年間、ガソリンスタンドの現場に身を置いた経験から、スタッフのモチベーションを下げる店長の特徴を表すキーワードは、押し付け・脅迫・正論、の3点と認識しています。

 どんな仕事もそうですが、ガソリンスタンドも最前線で働くスタッフのモチベーションが業績に大きな影響を与えます。その大きな理由は、製品での差別化が困難であるためですので「人材」で差別化を図る必要があります。

 今回のコラムでは、冒頭に挙げた3つのキーワードをもとに、スタッフのモチベーションをいかに下げないようにするか、を見ていきます。

事例1:副店長に指示を押し付けた部長

 あるガソリンスタンド運営会社は、首都圏に40店舗を展開しており、本社は都内にありました。その40店舗中のある店舗は店長と副店長の関係が上手くいっていませんでした。規則を重視する理論派の店長と、経験や勘を重視する行動派の副店長は、ことごとく考えが合わず、何度話し合っても、通じ合うことが出来ませんでした。

 店長は、そのような状況を本社の部長に相談しました。ちょうどその副店長の仕事ぶりも問題になっていたこともあり、部長はこの店舗に赴き、副店長と面談をすることとしました。

 副店長は、部長と店長がグルになって自分を操作しようとしている、と解釈した上で面談に臨みましたので、面談では、部長の言うことを聞く耳持たずの状態でした。

 業を煮やした部長は「四の五の言わずにとっととやれ!」と自分の指示に強引に従わせようとしました。これが「押し付け」です。ほどなくしてその副店長は退職をしてしまいました。

 この場合、部長はまず、副店長の言い分を聞く必要があります。部下の言い分を受け止めず安易に問題解決をしようとすると、組織上の立場が上なだけに、このような「押し付け」をしがちになってしまいます。

事例2:アルバイトスタッフを脅迫した店長

 あるガソリンスタンドで働いていたアルバイトスタッフは、他のガソリンスタンドに勤務した経験がありました。その際に身に着けた拘りのようなものがあり、どうも次のガソリンスタンドのやり方に馴染めません。

 ですが、経験があるので、仕事はそれなりにこなします。副店長が色々と指導するのですが、受け入れるどころか、うまく立ち回って逃げるようになりました。
 副店長から相談を受けた店長は、そのアルバイトスタッフと面談をすることにしました。その面談で店長が発したのは「副店長の言うことを聞かなかったらクビにするぞ」という「脅迫」でした。

 ほどなくして、そのアルバイトスタッフはガソリンスタンドに来なくなりました。彼は彼なりに以前の職場と今の職場の違いに戸惑っていたわけで、この店長はそのような戸惑いをしっかり受け止めるところから始めると、結果は違ったものになったかもしれません。

事例3:正論で業績を落とした本社

 あるガソリンスタンド運営会社の経営者は、業績向上のための人事異動を発令しました。その内容は、既存の本社スタッフ1名を現場に出し、現場で働いていた店長X氏を本社スタッフとして登用するというものです。

 そして、経営者は、X氏に傘下のガソリンスタンドの業績管理をさせ、業績が良くない店舗にはフォローアップの電話をさせるようにしました。

 以下は、あるガソリンスタンドの店長Y氏と、X氏の電話でのやり取りです。

 X氏「現在の業績で今月の目標、達成できるんですか?」
 Y店長「はい、何とかペースを上げて売っていこうと思っています。」
 X氏「じゃ、なんで月初からペース上げないんですか?」
 Y店長「いえ、アルバイトがなかなか売ってくれないんですよ」
 X氏「辞めさせたらいいでしょう。何で辞めさせないんですか?」
 Y店長「…」

 X氏は、Y店長の指示に従わず、思うように販売してくれないアルバイトスタッフがいるという課題に対して、店長はどのように接しているのか、という解決の糸口を探すことなく、正論(と思われること)を述べ、店長をやり込めています。そして、このことを経営者も容認していた節があります。

 X氏が店舗に電話をするのは、業績を向上させるためであり、店長をやり込めることではありません。この企業はほどなくして、大きく業績を落とし、それを隠すために経営者が粉飾決算に走り、最後は会社を追われることとなりました。

まずは相手を受け止める

 上記の事例は、コーチングでいうところの「パフォーマンス・キラー」に該当します。これは、メンバーを激励し指導しようとしているつもりでも、メンバーのモチベーションを下げたり、自信を喪失させたりしている関わりのことを指し、多くの場合、相手の意見を受け止めないことが出発点となってしまっています。

 モチベーションを上げるには、下げない方法を知っておく必要があります。経営者や管理職は、ガソリンスタンドにありがちな事例として、押し付け・脅迫・正論、に留意する必要があるでしょう。

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