スタンドの誘導に従わない顧客にイラつく必要がない3つの理由

人材確保

 フルサービスのガソリンスタンドでは、スタッフが顧客の入店を認識すると給油位置まで「オーライ、オーライ」と誘導します。セルフサービスのガソリンスタンドでも状況によっては誘導する場合があるでしょう。

 ですが、その誘導に従わない顧客がいます。ガソリンを給油する機械(計量機)から離れた位置で停まってしまったり、オーライと言っているのにずいぶんと手前の位置に停まってしまったりする顧客です。

 この時にストレスを感じ、イラッとするスタッフが多いのですが、人手不足に苦しむ店長は、スタッフにイラつく必要がないことを伝えてストレスを軽減させることができれば、定着率を向上させる可能性が高まります。

 なぜなら、日々のストレスの積み重ねが大きなストレスとなり、退職の引き金になるからです。今回のコラムでは、誘導に従わない顧客に対してイラつく必要がない理由を見ていきます。

1.イラつかなくて良い理由

(1)事故の責任は運転手にあるから

 例えば、ガソリンスタンドで働くスタッフの誘導に従って、車で移動した運転手が、障害物にぶつかったとします。この場合、ガソリンスタンドは賠償責任を負いません。ただし、実際は誘導ミスをしたということで、道義上賠償することはあるかもしれません。

 これはあくまでも道義上の話であり、ガソリンスタンドが法的に賠償責任を負わねばならないとしたら、誘導に従った運転手は人を轢いても責任は問えなくなります。ですから、あくまでも運転手が進む、停まるの判断をすることとなります。

 したがって「オーライ、オーライ」と誘導している最中に、勝手に停まる権利が運転手にはあるので、誘導する側はイラつく必要はありません。

(2)移動してもらえば良いから

 給油場所への誘導に従わない顧客の中には、給油ノズルが割と広範囲まで届くことを知っている顧客もいます。

 特に天井からノズルがつり下げられたタイプ(ノンスペース型)は広範囲に届きます。また、計量機が地面に固定されているタイプ(固定型)でも、計量機の反対側にある給油口までカバーできる場合もあります。

 そういう店舗にしか行ったことのない顧客の中には、誘導に従わず、自分の意思で給油位置に停まる方もいらっしゃいます。運転手の意思ですからそれは構わない話です。

 ただし、給油ノズルが届かなかったら、もしくは届いても給油中にずっとスタッフが給油ノズルを持っていなければならず、他のサービスができないという弊害が発生するようなら、エンジンを掛けて移動してもらいましょう。移動してもらえば良い話です。イラつく必要はありません。

(3)そういう人だから

 誘導に従わない人はそういう人なのです。そういう人を誘導に従わせようとするからイラつくのです。ライオンに「なんで人間の言葉をしゃべることができないんだ」とイラつく人はいないはずです。その理由は、ライオンだからです。誘導に従わない人にイラつくのは、誘導に従って欲しいからです。しかし、誘導に従わない人は従いません。その理由は誘導に従わない人だからです。

 多くの場合、イラつきはご自身の持つ「べき論」が傷付いた時に発生します。誘導に従わない人にイラつくのは「顧客は誘導に従うべき」という「べき論」があるからです。これを手放すことにより、イラつく必要はなくなります。

 とはいえ、長年寄り添ってきた「べき論」はそうそう簡単に手放せません。よって、まずは手放すと決めることが必要です。そして「そういう人だから」と認めることです。「そういう人」に心を乱される必要はないのです。

 今回のコラムでは、誘導に従わない顧客にイラつかなくてよい理由として(1)事故の責任は運転手にあるから、(2)移動してもらえば良いから、(3)そういう人だから、を挙げました。

 店長としては、現場で働くスタッフのストレスを少しでも軽減することが、定着率向上に寄与する取組みのひとつであることを認識していただき、このコラム内容をスタッフと共有していただきたいと思います。

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