持続化補助金<低感染リスク型ビジネス枠>に採択された外構工事業者の計画書の書き方③

小規模事業者持続化補助金

 同社は住宅の庭や、扉・塀などのエクステリア工事を手掛けていますが、新型コロナウイルス感染症拡大の影響により、工事業者と対面で接することを避ける顧客が増えたことや、海外資材の納入が遅れたことなどにより、売上が激減してしまいました。

 そこで、新たにネット通販事業を展開することとし、2021年9月8日締切りの小規模事業者持続化補助金<低感染リスク型ビジネス枠>第3回受付締切分に申請した結果、採択という結果を得ることができました。

 この結果を受け、当コラムでは同社が作成した「【様式1】経営計画および補助事業計画」の内容をもとに、採択を引き寄せたと考えられるポイントを何回かに分けて探っていきます。

 下図は、当補助金申請時に提出する「【様式1】経営計画および補助事業計画」の構成ですが、今回のコラムでは、下図の赤枠部分<補助事業計画>「2.補助事業の内容」の書き方を見ていきます。なお、当コラムの内容は2022年1月7日時点の情報に基づいています。

1. 持続化補助金<低感染リスク型ビジネス枠>に採択された外構工事業者の計画書の書き方[補助事業の内容編]

持続化補助金<低感染リスク型ビジネス枠>に採択された外構工事業者の計画書の書き方[補助事業の内容編](1)概要を端的に記載する

 「補助事業」とは、補助金を使って行う事業のことですから、補助事業の内容を説明する当欄の冒頭には、補助金を使って何を行うのかを端的に記載することで、読み手は補助事業の全体を把握できる結果、その後の説明を理解しやすくなります。

 読み手が理解しやすい文書の書き方のひとつに「結論先出し」というものがあります。これにより、文書の内容について全体が把握しやすくなり、それに基づいて細部を理解するべく読み進めていけます。

 ところが、不採択になってしまった事例は「結論先出し」どころか、当欄の記載内容から補助事業が何なのかが読み取れず、構成を考えて記載すればもっとわかりやすくなるケースが非常に多い印象があります。

 同社の場合は、新たにネット通販を実施するわけですが、そのために何に補助金を使いたいのかを当欄冒頭へ端的に記載したことが、採択を引き寄せた要因のひとつと考えられます。

持続化補助金<低感染リスク型ビジネス枠>に採択された外構工事業者の計画書の書き方[補助事業の内容編](2)強みを活かした事業であることを記載する

 補助金は給付金や協力金のように、苦境に陥った事業者を救済するというよりも、今以上に事業を拡大したい前向きな事業者を援助するという性格が強い印象があります。そこで自社の強みを補助事業に活用することを訴求することが、採択を引き寄せるポイントとなるでしょう。

 持続化補助金<低感染リスク型ビジネス枠>に採択された外構工事業者の計画書の書き方①でも述べましたが、同社は<経営計画>「1.自社の事業概要」で自社の強みを記載しておりました。

 その強みのうち、当補助事業でどのような強みが活かせるのかを<補助事業計画>「2.補助事業の内容」に記載して、事業の有効性を訴求したことも採択を引き寄せた要因のひとつと考えられます。

持続化補助金<低感染リスク型ビジネス枠>に採択された外構工事業者の計画書の書き方[補助事業の内容編](3)補助金の目的に沿った補助事業であることを訴求する

 補助金申請のルールブックである「公募要領」はそれぞれの補助金で公表されていますが、小規模事業者持続化補助金<低感染リスク型ビジネス枠>のホームページでは、当補助金の公募要領が公表されています。

 これを拝見しますと、4ページに「事業の目的」として以下の記載があります。

 本補助金事業は、新型コロナウイルス感染症感染防止と事業継続を両立させるための対人接触機会の減少に資する前向きな投資を行い、ポストコロナを踏まえた新たなビジネスやサービス、生産プロセスの導入等の取組を支援するため、それに要する経費の一部を補助するものです。

 ここでのポイントはマーカー部分「対人接触機会の減少」です。つまり、補助事業の実施によって、顧客や取引先との接触が減ることを求めているということです。同社の場合は当補助事業を実施することによって、なぜ対人接触機会が減少するのかという点を明確に記載していた点も、採択を引き寄せた要因のひとつと考えられます。

持続化補助金<低感染リスク型ビジネス枠>に採択された外構工事業者の計画書の書き方[補助事業の内容編](4)創意工夫の特徴を記載する

 前述の公募要領には「審査の観点」というページがあり、どのような項目が審査されるのかが公開されています。その中に「補助事業の有効性」という記述がありますが、その内容を具体的に示しているのが、小規模事業者持続化補助金<一般型>の公募要領です。

 詳しくは持続化補助金【低感染リスク型ビジネス枠】計画書の書き方⑨を参考にしていただきたいのですが、ここには「創意工夫の特徴があるか」という記述があり、同社は当補助事業で工夫したポイントが何であるか分かるように記載していたことも採択を引き寄せた要因のひとつと考えられます。

 今回のコラムでは、小規模事業者持続化補助金<低感染リスク型ビジネス枠>に採択された同社が記載した<補助事業計画>「2.補助事業の内容」から、採択のポイントとして(1)概要を端的に記載する、(2)強みを活かした事業であることを記載する、(3)補助金の目的に沿った補助事業であることを訴求する、(4)創意工夫の特徴を記載する、を述べました。

次回のコラムでは<補助事業計画>「3.補助事業の効果」を見ていきます。

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