年上の部下のクレーム対応力を上げる3つのポイント

人材育成

 複数店舗を展開するガソリンスタンド運営会社に勤務し店長を務めるA氏。まだ店長経験が浅い30代ですが、同じ職場に50代の女性スタッフがいます。経験豊富で仕事も出来、日々の業務で助言を頂くことも多く、A氏は頼りにしています。

 ただ、この女性スタッフはクレームを受けた際の言動が上手くなく、更に顧客を怒らせてしまい、A氏がフォローをするためにてんやわんやすることがこれまで何回かありました。

 A氏から見ると、彼女がクレームをつけてきた顧客に言っていることは、確かに間違ったことは言っていません。ですが、顧客の立場を考えると、少しは愛想を良くしたり、顧客を立てたりすることも必要だと思い、過去にその点を指摘したところ、丸一日、口をきかなりました

 彼女は他店で一時、店長まで勤めたものの、このような点が問題になり、降格されたようです。現在、ギリギリの人数で店舗運営をしており、A氏としては、まだ分からない仕事も多く、彼女に頼る部分が大きいだけに、なかなか注意しにくいと感じています。

 今回のコラムでは、このA氏の悩みを受け、このような年上の部下のクレーム対応力を向上させるために店長としてどのように接するべきかを見て行きます。

年上の部下のクレーム対応力を上げるポイント1:部下の話を傾聴する

 この店長が優先的に心がけるべきことは、部下に注意することではなく、部下を受け入れることです。彼女は、長年同業界に身を置き、それなりの知識も経験もあるというプライドから、ふた回り近く年下の上司に注意されても素直に従うことができないと推測されます。

 よって、それなりの知識と経験を持った彼女がクレームを受けて、どのように感じてそのような言動になったのか、彼女の想いを傾聴します。この時の留意点としては、店長の意見は言わず、ひたすら聴くことです。

 なお、傾聴の際は、1.頷き・相槌、2.繰り返し、3.言い換え、の3つを意識すると効果的です。なぜなら相手の話に夢中になれるからです。

年上の部下のクレーム対応力を上げるポイント2:質問で考えさせる

 質問は、その答えがイエスかノーになるクローズドクエスチョンと、その答えがイエスやノーになり得ないオープンクエスチョンがあります。

 クローズドクエスチョンは、確認をとりたい場合や初対面で関係性を構築したい場合に、オープンクエスチョンは、深く考えていただきたい場合やアイデアが欲しい場合に効果的とされます。

 今回は、彼女のクレーム対応力を向上させることが目的ですから、オープンクエスチョンを投げかけ、今後どうするべきか深く考えていただくことが有効です。

 例えば、以下の質問が考えられます。
 「お客様へそのように伝えてどのような気分になりましたか」
 「お客様と当店がwin-winの関係になるには何をするべきと考えますか」
 「言葉以外でクレーム時に重要なことは何だと思いますか」

 大事なことは、誘導尋問にならないようにすること、フランクに質問することです。そして、上記を通じて日常的に出来ることを検討することとなります。それは次に掲げるクレームの防止になります。

年上の部下のクレーム対応力を上げるポイント3:望ましい言動を承認する

 反応と対応という言葉があります。反応とは結果に対する行動です。つまり、顧客からクレームを受けて起こす言動です。よって、A氏の言う「クレーム対応」は「クレーム反応」と言い換えることができます。

 これに対して、対応とは予測に基づく行動です。つまり、顧客はこういう点で不満を抱きそうだ、という予測を立て、その不満を抱かせないために起こす行動です。これが本来の「クレーム対応」となります。

 クレームは発生するまでにいくつかのステップを踏みます。最初は顧客のスタッフに対する違和感なのかもしれません。それを大きくさせるスタッフの言動がいくつかあり、顧客は我慢できなくなって、クレームへと発展していきます。よって、クレームが発生しないプロセスで仕事をすることが、クレーム対応です。

 そのためにどうするべきかを話し合い、行動を決め、それを彼女が実施するたびに「〇〇していましたね」と声を掛けて承認をしていきます。承認は言葉の報酬ですから、ある行動を起こすたびに報酬が与えられることは、その行動が強化されていきます。

 ここでの留意点は、「よくやっていますね」「頑張っていますね」といった評価・賞賛を与えないことです。これは相手の解釈次第では、アメとムチのアメになり、モチベーションを落とすリスクがあります。あくまでも事実を承認することです。

 今回のコラムでは、年上の部下のクレーム対応力を上げるポイントとして、1.部下の話を傾聴する、2.質問で考えさせる、3.望ましい言動を承認する、を挙げました。労働力の高齢化により、年上の部下を持つケースは増加することが見込まれます。上記のポイントが年上の部下をさらに戦力化する際の参考になれば幸いです。

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