人気の洋菓子店がさらに売上を上げる効果的な宣伝広告とは

戦略の考え方

複数回にわたる新聞折込広告

 その洋菓子店は、もともと人気店でありましたが、小規模事業者持続化補助金に採択され、10月から12月まで3カ月連続の新聞折込チラシで自店の商品を訴求しようと考えていました。
 10月は商品A、11月は商品B、12月は商品Cを訴求した後にクリスマスケーキの予約販売を告知するという計画です。

 この場合に重要なのは、商品A、B、C、そしてクリスマスケーキをなぜ当店が提供しているのか、という理由付けです。洋菓子店が洋菓子を提供するのは当然のことであり、それは理由にはなり得ません。

 そこで、商品A、B、Cをなぜ作ったのか、お話を伺いました。商品Aは、当店が立地する地域の石畳をモチーフにした商品です。この洋菓子店の経営者は、後継者であるご子息と事業展開をしており、親子2代にわたり、この地で産まれ、この地で育ち、この石畳に何十年も見守られながら今に至ります。その感謝の気持ちを込めて商品Aを作ったとのことでした。これを訴求することにより、地域に根差した企業姿勢が伝わり、地元を愛する周辺住民の購買が期待できます。商品B、Cも同様になぜ当店がそれを作ったのかを訴求します。

 往々にして、訴求したくなるのは、その商品の価格と品質の良さ、見栄えなどですが、なぜ当店がそれを提供するのかといった理由を訴求することは、顧客の購買理由にもなり得るのです。

それぞれの折込チラシに関連性を持たせる

 10月に商品A、11月に商品B、12月に商品Cを訴求し、そしてクリスマスケーキの予約販売を訴求するという計画ですが、複数回にわたる折込広告で重要なのは、それぞれの広告の関連性です。

 商品A、B、C、クリスマスケーキそれぞれを単独で訴求するのではなく、例えば商品A、B、C全てがデコレーションされたクリスマスケーキを折込チラシで訴求し、予約を受け付けることにより、そのクリスマスケーキは当店オリジナルのクリスマスケーキになります。なぜなら、商品A、B、Cは当店でなければ提供できない理由があり、それを訴求してきたからです。そこに過去3回、各商品を訴求してきた本当の意味が現れます。

 人気の洋菓子店がさらに売上を上げる効果的な宣伝広告とは、当店がその商品を提供する理由が明確になっていること、それぞれの宣伝広告が関連性を持っていること、と言えるのではないでしょうか。

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