携行缶に給油したガソリンを犯罪に使わせない3つの方法

オペレーション

 株式会社京都アニメーションの第一スタジオで痛ましい事件が起こってしまいました。犯人は現場にガソリンを撒き、火を放ったことで、多くの犠牲者が出てしまいました。犯人は現場から西に500メートルほど離れたセルフサービスのガソリンスタンドで、携行缶を用いて40リットルを購入したことが分かっています。

 セルフサービスのガソリンスタンドで、顧客が給油出来るのは、自身が乗ってきた車両に対してのみであり、携行缶への給油は犯罪や事故防止の観点から禁止されています。

 ですが、農機具などに給油するために持ち帰りたいという顧客ニーズがあるため、セルフサービスのガソリンスタンドに勤務するスタッフが、顧客からの依頼に基づき、携行缶に60リットルまで給油することは合法とされています(一部自治体の例外あり)。

 今回の事件に使われたガソリンを販売したスタンドは、犯人から給油の依頼を受けたスタッフがガソリンの使用目的を尋ねており、「農機具に使う」という答えを受け、給油したことが分かっています。

 このように販売数量も販売の仕方も全て合法であったにも関わらず、痛ましい事件が起きてしまいました。そこで今回のコラムでは、今後ガソリンスタンドとしては携行缶に給油したガソリンを犯罪に使わせないために、どのような方法があるのかを見ていきます。

携行缶のガソリンを犯罪に使わせない方法1:携行缶への給油をしない

 これは、既に一部のガソリンスタンドで、今回の事件を受けて実施している方法です。法律ではスタッフが携行缶に給油することは認められていますが、顧客からの依頼を受けるか受けないかは、ガソリンスタンド側の判断です。

 よって、携行缶への給油自体を無くしてしまえば、ガソリンを犯罪に使いたくても使いようがありません。ただし、この方法は、農機具などに給油したいという顧客ニーズに応えることができません。農機具に給油したい人はそのガソリンスタンドの近隣に住む方々が多く、地域密着が生命線であるガソリンスタンドとしては、利便性が低下することとなります。そこで以下の方法が考えられます。

携行缶のガソリンを犯罪に使わせない方法2:数量限定で携行缶への給油をする

 今回の事件では、40リットルのガソリンが使われ、大きな被害が出てしまいました。前述のとおり、法令での給油量は60リットルまでと定められていますが、その範囲内であればガソリンスタンド側の判断で上限を決めることに問題はありません。

 よって5リットルまでなど数量を決めて携行缶に給油することで、犯人が望む被害の発生が困難となりやすく、犯罪の抑止力を高める効果が期待できます。

携行缶のガソリンを犯罪に使わせない方法3:ガソリンを配達する

 今回の事件では、ガソリンの使用目的について犯人は店舗スタッフに嘘をつきました。そこで、農機具を使うために携行缶へ給油をして欲しい顧客に対しては、ガソリンを配達してスタッフが農機具に給油すれば、本当に農機具にガソリンを使うということが分かります。

 その他にも、レース用の車両にガソリンを使うためということであれば、レース場にガソリンを配達し、その車両に給油をします。車の整備工場がガソリンを必要としていたり、雪国では除雪機に使用したりするケースもあります。これらのニーズに全て配達で対応すれば、ガソリンを犯罪に使うことは困難になるはずです。

 配達するのですから当然、人件費やガソリン代がかかりますので、別途費用がかかることを事前に告知しておく必要があります。顧客にしてみると携行缶を持っていってガソリンを買うことに比べると高くつきますが、ガソリンがないと農機具は使えませんから、必要経費と見なす方が多いはずです。

人手不足で配達が厳しいという方のために

 人手不足で配達ができないなら、人手を充足させましょう。それまでの間は、携行缶への給油禁止や数量限定給油は仕方ないかもしれません。

 人手を充足させるためには、以下のステップを踏むことをお勧めします。
 ①既存スタッフの退職を防ぐ
 【参考コラム】ガソリンスタンドが従業員満足の向上に取り組むべき理由とは

 ②新規スタッフの応募を増やす
 【参考コラム】応募者が集まる求人メッセージを作る6つのステップ

 ③応募者が面接をすっぽかさないように取り組む
 【参考コラム】アルバイト応募者の面接すっぽかしを防ぐ5つの対策

 ④仕事が長続きする人材を面接で見極める
 【参考コラム】
 人材不足の中で生き残るガソリンスタンドが雇うべき人材とは
 人材を採用するために行う面接で実施するべき質問の具体例

 ⑤採用後の早期離職を防止する
 【参考コラム】また辞められた…。アルバイトの早期離職を防ぐ3つの対策

 今回のコラムでは、携行缶に給油したガソリンを犯罪に使わせないための方法として、1.携行缶への給油をしない、2.数量限定で携行缶への給油をする、3.ガソリンの配達をする、を挙げた上で、配達するための人員確保に関しての情報をご紹介しました。

 今回のような痛ましい事件が2度と起こらないように、ガソリンスタンドの現場出身のコンサルタントとして、業界へご協力できることは、できる範囲内であれば、いくらでもご協力する所存であることを申し添えておきます。

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