<経営計画>の「3.自社や自社の提供する商品・サービスの強み」においては、項目を切り分け、切り口を明確にし、因果関係を意識することにより、小規模事業者持続化補助金に採択される可能性が高まります。
小規模事業者持続化補助金「石材店」採択のポイント
小規模事業者持続化補助金で、スマートフォンに対応したホームページの作成費用を調達するために、石材店の経営者が予め記載してきた計画書を採択レベルにブラッシュアップしていったプロセスをご紹介していきます。第3回目の今回は、下図の赤枠部分、様式2-1<経営計画>内の「3.自社や自社の提供する商品・サービスの強み」を見ていきます。

書かれてきた内容を整理する
同店が当欄に書かれてきた内容を整理すると以下となりました。
①石材加工や石張り作業における国家資格の1級技能士資格や職業訓練指導員免許を取得しており、全国技能士連合会より全技連マイスター石材施工部門で認定もされている。また、日本石材産業協会認定のお墓ディレクター1級も取得している。
②高いレベルの技術・知識の裏付けによりサービスを提供できる。
③上記の日本石材産業協会に加入しているため、日本全国の石材産地・加工地と直接的なパイプがあり、的確な情報を得ることができる。
④墓石製作に必要な機械設備が揃っているため、リフォームや修繕など安価で迅速な対応ができる。
これら整理した内容をブラッシュアップしていきます。
項目を切り分ける
当欄は「自社や自社の提供する商品・サービスの強み」を書く欄です。よって「自社の強み」と「自社の提供する商品・サービスの強み」に切り分けるとまとまりやすくなります。そして、前述の「強み」は「自社の強み」として①~③が、「自社の提供する商品・サービスの強み」として④が該当します。
このように切り分けたら、次に示す切り口でさらに強みを探します。
切り口を明確にする
「自社の強み」で使いやすい切り口は「経営資源」であり、これは「人」「物」「金」「情報」の4つから構成されます。
同店の場合、「人的資源の強み」として①②が該当しますが、資格のこと以外にチームワークやキャラクター、経歴など社内の「人」に関するあらゆることを洗い出し、さらなる強みを検討していただきました。
また、「物的資源の強み」としては④の前半部分が該当しますが、自店で保有している機械設備をより詳細に洗い出し、その機械設備があるからこそできることを検討していただきました。
さらに、「情報的資源の強み」は③が該当します。業界団体から情報をインプットしているとのことですが、さらにインプットしている情報の他、顧客に対するアウトプットの方面からも強みを探していただきました。
因果関係を意識する
④の「墓石製作に必要な機械設備が揃っているため、リフォームや修繕など安価で迅速な対応ができる。」のうち、前半の機械設備のことは「自社の強み」のうち「物的資源の強み」に該当します。そして後半の安価で迅速な対応のことは「自社の提供する商品・サービスの強み」と捉えることが可能です。
しかし、その機械設備が揃っていると、なぜ安価で迅速な対応ができるのか、今ひとつ腑に落ちません。そこで、機械設備があると直接的に「どういうことができるか」を洗い出していただき、その「どういうこと」が安価で迅速な対応にどう結びついているのかを検討していただきました。
例えば「墓石製作に必要な○○という機械設備があるため、顧客の墓石リフォームに関する要望を自社でダイレクトに反映させることができ、安価で迅速な対応ができる」という形です。これは「自社の強み」の「物的資源の強み」でもあり、「自社が提供する商品・サービスの強み」でもありますのでどちらに盛り込んでも良いでしょう。
また、前述の強み①があるから、強み②ができるわけで、①と②は因果関係にあります。よって、以下の形にまとめ直していただきました。
以下の資格を保有していることから高いレベルの技術・知識の裏付けのあるサービスを提供できる。
・石材加工や石張り作業における国家資格の1級技能士資格
・職業訓練指導員免許
・全国技能士連合会認定の全技連マイスター(石材施工部門)
・日本石材産業協会認定のお墓ディレクター1級
このように文章ではなく箇条書きでまとめると読み手に伝わりやすくなります。
このようにして、<経営計画>の「3.自社や自社の提供する商品・サービスの強み」のブラッシュアップを行いました。次回のコラムでは「4.経営方針・目標と今後のプラン」について見ていきます。
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