持続化補助金【低感染リスク型】の採択によるECサイト強化事例③

小規模事業者持続化補助金

 同店は、婦人服を主力とした雑貨店です。店内には、衣料品の他に食品、文具、寝具などが所狭しと並んでいますが、新型コロナウイルス感染症の影響により、外出を自粛する方が増加し、売上が厳しい状況になってしまいました。

 そこで、試験的に立ち上げたネット通販サイトの利用を促進させるべく、電子看板、チラシ、ダイレクトメールなどを用いて、このサイトを訴求していくことにしました。

 そして、その費用の一部を小規模事業者持続化補助金【低感染リスク型ビジネス枠】で調達することとし、応募した結果、採択されました。当コラムでは、同店が応募時に作成した計画書の内容から、採択されたポイントを検証していきます。

 下図は、当補助金に応募する際に提出する【様式1】経営計画および補助事業計画の構成ですが、今回のコラムでは<経営計画>「2.新型コロナウイルス感染症の影響・既に取り組んでいる対策」から採択のポイントを見ていきます。なお、当コラムの内容は2021年12月5日時点の情報に基づいています。

1.持続化補助金【低感染リスク型】の採択ポイント(新型コロナウイルス感染症の影響・既に取り組んでいる対策編)

(1)当欄の内容を2つに切り分ける

 当欄のタイトルは「新型コロナウイルス感染症の影響・既に取り組んでいる対策」であり、「影響」と「対策」の記載が求められています。そして、これらをまとめて書こうとすると内容が冗長になり、何が「影響」で何が「対策」なのか読み手に伝わりにくくなるというリスクがあります。

 そこで同店は当欄に【新型コロナウイルス感染症の影響】と【既に取り組んでいる対策】という2つの見出しを設け、内容を切り分けて記載しました。このように切り分けをしっかり行い、内容を整理・整頓したことは、同店が採択を引き寄せた要因のひとつと考えられます。

(2)「影響」を数値で示す

 その事業者によって【新型コロナウイルス感染症の影響】の大きさは異なるはずですが、それを読み手に訴求するには、影響を数値で示すことが効果的と言えます。

 例えば「来店客数が減った」という記述では影響の大きさが分かりませんが、「コロナ前は月間30,000名の来店客があったが、先月は10,000名に減った」と記載すれば、影響の大きさを訴求することができます。

 同店は、本年4・5月の売上高を前年、前々年の同月と比較し、どの程度減少したのかを示したことも採択を引き寄せた要因のひとつと考えられます。

(3)「対策」を2つに切り分ける

 各事業者によって【既に取り組んでいる対策】は様々ですが、それは大きく「感染防止の対策」という損失回避の対策と「業績向上の対策」という収益確保の対策に分けることができます。

 「感染防止の対策」は、スタッフのマスク着用、検温、手指の消毒など、事業者間で取組に大きな差が生じるものではないはずです。これに対して「業績向上の対策」は様々なものがあり、ここで他者と差をつけることが可能です。補助金は計画書の完成度を競うものであることを考えると、この点は大きなポイントと言えます。

 同店は、この両方の対策を記載していたことが採択を引き寄せた要因のひとつと考えられます。また、可能であれば「業績向上の対策」を補助事業と絡めて、この対策をより推し進めるために補助金を使いたいというストーリーを作ると採択が盤石なものになったのではないでしょうか。

 今回のコラムでは、小規模事業者持続化補助金【低感染リスク型ビジネス枠】の計画書内<経営計画>「2.新型コロナウイルス感染症の影響・既に取り組んでいる対策」から、採択されたポイントとして、(1) 当欄の内容を2つに切り分ける、(2) 「影響」を数値で示す、(3)「対策」を2つに切り分ける、を挙げました。次回のコラムでは引き続き<補助事業計画>「2.補助事業の内容」から採択のポイントについて見ていきます。

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4.電子書籍のご案内(2021年3月22日発行)

小規模事業者持続化補助金に応募したくなる本
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